2.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングが増えている理由

コンタクトセンター(コールセンター)を外部委託する企業は年々増加傾向にあります。
その主な要因は、高品質な顧客対応への需要拡大と人手不足の常態化です。

2022年のコンタクトセンター市場規模は1兆1,547億円と前年比2.6%増を記録しており、今後も堅調な成長が見込まれています(出展:株式会社矢野経済研究所「2023年版 コールセンター市場の実態と展望」)。

顧客コミュニケーションの多様化に伴い、マルチチャネルでのサポートは不可欠ですが、人材不足により社内での人員確保はますます困難になっています。

実際、コンタクトセンターの22%しか、全拠点で十分な数のオペレーター応募者を確保できていないと報告しています。
(出典:コールセンター白書2024、月刊コールセンタージャパン編集部、リックテレコム株式会社、2024年、p.59)。

このように、顧客がますます質の高いコミュニケーションを期待する一方で、多くの企業は継続的な人手不足に直面しており、アウトソーシングがますます魅力的な選択肢となっています。

アウトソーシングにより成果を上げた企業の事例

SMBCは200名を超えるオペレーターでCOPC認証を取得し、世界レベルのカスタマーサービス品質を実証しました。
同社は電話だけでなく、複数のチャネルで顧客満足度を確保する体制を確立し、現在はウェブサイトの最適化もサポートしています。
この事例が示すように、機密性の高い情報を扱う業界でも、コンタクトセンターのアウトソーシングを成功させ、優れた成果を上げることができます。

このケースの詳細については、以下のページをご覧ください:導入事例 – 三井住友銀行

3.コンタクトセンターアウトソーシングのメリット

コンタクトセンターを外部委託することで、企業は自社で設備や人員を準備する必要がなくなり、専門業者による質の高い顧客サービスを受けることができます。
主なメリットは以下の通りです。

コンタクトセンターをアウトソーシングするメリット

・セットアップと運用コストを削減
・組織が中核事業に集中できるようになる
・サービス品質の向上

3-1 セットアップおよび継続的な運用に関連するコストの削減

アウトソーシングの主な利点の1つは、セットアップ費用と運用コストを削減できることです。
企業は、社内業務で通常必要となる初期投資や、採用・研修にかかる費用を回避できます。

アウトソーシングは、インフラ、採用、トレーニングの必要性を排除し、初期費用を抑え、継続的なコストを最適化しながら、迅速な立ち上げを可能にします。

3-2 コア事業へのより一層の集中

アウトソーシングにより、企業はコアビジネスに集中することも可能になります。
顧客サービスや関連業務にかかる時間と労力を削減できます。

社内モデルの構築にはトレーニングと管理が必要であり、スタッフが二重の役割を担うことで、コア業務に支障をきたす可能性があります。

アウトソーシングによって、企業はコンタクトセンター業務を専門業者に委託し、業務の中断を避け、コアビジネスに集中することができます。

3-3 顧客サービス品質の向上

アウトソーシングのもう一つの主要な利点は、サービス品質の向上です。
専門プロバイダーの専門知識を活用することで、企業は質の高い顧客サービスを提供できます。

近年、CX(顧客体験)の向上が企業にとって重要な課題となっており、コンタクトセンターの専門企業は、この課題を支援する専門知識を持っています。
さらに、アウトソーシングは、企業の営業時間に関わらず、24時間365日のカスタマーサポートを可能にします。

このように、アウトソーシングは顧客にとって便利で質の高いカスタマーサービスを提供するのに役立ちます。

4.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする際の課題

コンタクトセンターのアウトソーシングは多くのメリットをもたらしますが、同時に特定の課題も伴います。
これらの課題を事前に理解することで、企業はより適切に準備し、効果的に対処することができます。

コンタクトセンターのアウトソーシングの欠点

箇条書き
・ 運用のノウハウが蓄積されにくい
・ 品質を直接管理しにくい

4-1. 社内専門知識の蓄積が限定的

アウトソーシングの主な欠点の1つは、運用ノウハウを社内に蓄積することが難しい点です。
アウトソーシングは外部の専門知識や能力に依存しているため、企業がその知識を十分に理解し、社内に取り込むことは困難となる可能性があります。

アウトソーシングパートナーと連携して業務を行いますが、顧客と直接フロントラインで関わることはありません。そのため、実体験を通じて学ぶ機会は限られる傾向にあります。

4-2.サービス品質を直接管理することの課題

もう一つのデメリットは、サービス品質を直接管理するのが難しい点です。
自社運営と比較して、外部委託ではオペレーターのパフォーマンスやスタッフのモチベーションを監視するのが難しくなる可能性があります。
さらに、専門知識を要する問い合わせや、経営レベルの判断が必要な問い合わせなど、特定の問い合わせについては、外部委託業者の業務範囲外となる場合があります。
企業のポリシーが適切に反映されるようにするには、外部委託業者と密接なコミュニケーションを維持し、例外的なケースの対応方法を含め、顧客サービスのガイドラインを共有することが重要です。

5. コンタクトセンターのアウトソーシングを決定する上での主要な基準

コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングを検討する際には、自社のサービスや現状と合致しているかどうかが重要です。
本章では、アウトソーシングをおすすめするケースと、そうではないケースについて解説します。

5-1. アウトソーシングを検討する時期

アウトソーシングが推奨されるケース:

・コンタクトセンターに充てる社内リソースが不足している場合
・専門家に業務を任せることで、社内リソースをコア業務に集中させたい場合
・CX(顧客体験)向上を優先し、継続的な改善提案を受けたい場合
・新たなコンタクトチャネル(チャット、ソーシャルメディアなど)への拡大が必要な場合

これらの条件のいずれかに該当する場合、アウトソーシングは真剣に検討する価値があります。
専門プロバイダーの専門知識とノウハウを活用することで、企業はリソースの制約に効果的に対処し、全体的な業務を改善できます。

企業がアウトソーシングによってコアビジネスに集中し、専門的なサポートを活用し、たとえ部分的な導入であっても柔軟で拡張性の高いアプローチで開始できるようにします。

5-2. アウトソーシングが最適とは言えないケース

アウトソーシングが適さないケース:

・法的な規制を受ける事業(例:債権回収、酒類の販売など)
・将来的に事業を自社で運用する計画がある場合

法的制約がある場合は、必要な許認可を持つプロバイダーを見つける必要があります。

将来的に業務を社内で実施する予定がある場合、すべての機能を完全に外部委託すると、必要な社内リソースや専門知識を構築することが困難になる可能性があります。このような場合は、部分的な外部委託の方がより効果的なアプローチとなるでしょう。