経営担当者にとってクーポンの持つ販売促進効果は無視できないものであることは言うまでもありません。つまりクーポンやクーポンサイトはマーケティングミックスの不可欠な要素でありこれらをうまく活用できるかどうかで売り上げに大きな差が生じるのです。今回はそのクーポンサイトがどのように働くのか、大きな効果を上げるために意識すべきポイントは何なのかについて解説していきます。
そもそもクーポンを活用すべきか
大前提として、そもそもクーポンを活用すべき商材なのかを考えなければなりません。もちろん価格という要因が市場において重視されるような商材であればクーポンは非常に効果的に働きますが、一方で独自性が高く競合が少ないような商材に関しては利益を減少させてしまう可能性すらあるのでクーポンは活用しない方が良いでしょう。
クーポンウェブサイトとは
広告もかねて発行された様々なクーポンが掲載されているウェブサイトがクーポンウェブサイトです。クーポンウェブサイトは通常CPA (cost per acquisition:顧客獲得一人に対する料金支払い)という形式であり広告の初期費用を抑えられるため低リスクで活用することが可能です。伝統的な広告フォーマットのように売り上げにつながるか不確定な広告の露出回数やクリック数に対して支払いが発生するわけではない点が大きな利点です。
クーポンウェブサイトにも様々な種類があるので以下ではそれぞれの特徴について紹介します。
1.Traditional coupon sites:従来のクーポンサイト
このサイトでは利用可能なすべてのクーポンをまとめ、買い物客が利用しやすいようにしている点が特徴になります。またメルマガによって顧客を各ブランドに誘導する点もこのサイトを利用する際に大きな利点となります。
Offers.comやSavings.com等がこのカテゴリに分類されます。
2.Curation-driven coupon sites:精選されたクーポン集約サイト
このサイトはその日のベストなお買い得品を選定しユーザー向けに特集を組むことに焦点を当てています。このサイトにはよりコアな興味を持つ顧客多いため、利用する際にはターゲットとする顧客を絞って設定することが重要です。Brad’s Deals、Tech Bargains、DealsPlus等がこのカテゴリに分類されます。
3.Coupon forums:クーポン情報共有サイト
このサイトはユーザー同士がお買い得品についての情報を共有することが特徴です。Slickdealsがこの類のサイトの代表例であり、毎日多くのユーザーがアクセスしています。
このサイトを利用するにあたり自社の広告が多くの人の目に触れることが大きな利点となります。
4.Cash-back coupon sites:キャッシュバッククーポンサイト
Ebatesを筆頭にこの類のサイトは長きにわたり顧客人気があります。このサイトを通して買い物をすると支払代金の一部が購入者に返ってくる仕組みになっています。この類のサイトに共通する注意点はサイト利用者があくまでそのサイトに対して信頼を置いているということです。そのため競合が同サイトに参入した場合、顧客が競合のもとへ流れる可能性は十分にあります。
5.Coupon browser extensions:ブラウザ拡張によるクーポンの自動選定
上記のサイトに加え近年ではHoneyのようなサイトが注目を集めています。これは顧客が買い物をしている最中に自動でクーポンを表示するサービスであり、クーポンを探す手間なく利用できることから顧客の間でとても人気があります。一方でこれには一つ欠点があります。それは自社サイトへのアクセスしたことのある顧客が支払いをするときにのみクーポンが表示されるという点であり、クーポンが多くの人の目に触れることはありません。
クーポンウェブサイトを見極める
利用を考えているサイトが信頼できるものか判断するときはSimilarWebを利用すると良いでしょう。アクセス数のうち何パーセントがサーチエンジンからなのかが判断基準となり、70~80%を適正なサイトの目安と考え、90%以上の場合はそのサイトの信頼性を疑いましょう。
まとめ
今回はクーポンサイトの種類に着目し、効果的な集客のために意識すべきそれらの特徴、注意点をまとめました。ターゲットを明確に設定し利用するクーポンサイトを選択することでより効果的な集客が可能になるのではないでしょうか。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。