1年に1度、親愛なる母への感謝を改めて伝える「母の日」。
実はこの時期に母へ贈るプレゼントの購入にあたり、小売業界の売上が伸びることをご存じですか?National Retail Federationによると、2019年の母の日に関わる小売業の売上は約230億ドルに達したとされています。また新型コロナウイルス感染拡大によって、対面で感謝を伝えることが避けられる今だからこそ、プレゼントへの注目はより一層高まっています。今回は売上を伸ばすチャンスである母の日に向けて、どのようなポイントを抑え、どのような戦略をとるべきかについて紹介します。
<必ず押さえたいポイント>
各戦略の話に入る前に、どの戦略にも共通して押さておくべきポイントを紹介します。
・商品カスタマイズサービス
「母の日」のようにプレゼントとして商品が購入されると想定される場合は可能な限り、世界に1つだけのものを作ることができるサービスを準備しましょう。商品に名前を彫るサービスや、手書きのメッセージを添えるサービスなどを通して、それぞれがオリジナリティを出せるようにしておくと、消費者の注目を集めることができます。
・ギフトカードの注目度
これまで「母の日のプレゼントと言ったら花束」と考えられていましたが、近年では花束に匹敵するほどギフトカードがプレゼントとして選ばれるようになっています。
・消費者心理
ある商品の購入を1度決意した消費者はさらにハイモデルの商品についても目を向け、購入を検討するようになることが分かっています。この消費者心理を踏まえ、支払画面でハイモデル商品を提示することで売上の上昇を期待できます。
・ターゲットの理解
戦略を練るにあたりターゲティングが最も重要となります。「母の日」に関して言えば、誰が「母」にあたるのか、その母へのプレゼント購入を検討しているのは「誰」なのかを明確にしましょう。前者について、実の母に加えて、祖母や義理の母、叔母などが考えられるでしょう。また後者について、夫から妻へのプレゼントの場合と、息子・娘から母親へのプレゼントの場合とでは、それぞれが持つニーズが大きく異なることが分かります。
<戦略1:メルマガの活用>
やはりメルマガは消費者と直接接点を持てるというところが魅力的です。これまでの消費傾向を分析し、それぞれの消費者向けに個別化したキャンペーンを実施できるので、売上に結び付けやすいと考えられます。一方で、消費者がメルマガ登録していることが前提となるので、母の日直前になってから準備していては効果があまり期待できません。母の日の1カ月前を目安に、メルマガ登録を促すキャンペーンをしてEメールリストを充実させておきましょう。
<戦略2:SNSの活用>
人々の日常に浸透しているSNSを活用することで、より多くの人から注目を集めることができます。例えば、「母と息子、母と娘のフォトコンテスト」や「母の若かりし頃の写真」といったイベントを通じて、自社及び自社商品への認知を高めましょう。
<戦略3:自社サイトの最適化>
「母の日」が近づくにつれ、母へのプレゼントを探しにサイトを訪れる人が増加します。この点を踏まえ、母の日特集ページを作成し目当ての商品を見つけやすい環境を整えましょう。母へのプレゼントにおすすめの商品をまとめたページや、それらを価格帯で分類したページを準備しておくと、消費者の購買を促すことができます。
<まとめ>
今回は母の日に向けた準備についてまとめました。どんな戦略をとる場合も、母の日は「感謝の気持ちを伝える場」であることを忘れなければ、消費者の心を動かす販売促進ができるでしょう。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。