新時代の消費者・Z世代の特徴を掴んだマーケティングとは?

新時代の消費者・Z世代の特徴を掴んだマーケティングとは?

新しい消費者として注目されているZ世代(Gen Z)。これまでの世代とは異なる購買行動をとるZ世代には、他世代とは異なるマーケティング戦略が必要です。Z世代とはどんな人たちなのか、どんなマーケティング手法が有効なのかをまとめました。

Z世代とは?

Z世代とは、1996年から2010年代の前半までに生まれた人たちです。1400億ドルの購買力を持ち、アメリカの人口の27%を占める彼らは、将来的にとても重要な顧客層となり得るでしょう。

Z世代はほぼ生まれた頃からITに触れながら育ったデジタル・ネイティブで、TikTokやインスタグラムなどのソーシャルメディアを使いこなします。1時間ごとに自分のアカウントをチェックするほどSNSが生活に浸透しているため、彼らにメッセージを伝えるにはソーシャルメディアの活用が不可欠です。

Z世代の大きな特徴は、これまでの世代に比べてソーシャルグッドを重視すること。自分の力で世の中をよくしたいというだけでなく、企業にも世の中をよくする責任があると考える人が多く、物を買うときにも「支持できるブランドかどうか」を判断基準にします。

Z世代向けマーケティングの5つのポイント

Z世代に商品やサービスを購入してもらうには、単に「物を売る」というアプローチだけでは不十分です。Z世代に届くマーケティングのために、以下の5つのポイントを参考にしてください。

1.ブランドの価値観とミッションを打ち出す

Z世代にとって、物を買うことは投票行動のようなもの。考え方や姿勢に共感でき、信頼できる企業をサポートする傾向があります。ダイバーシティやインクルージョン(多様性を認め、受容すること)の重視など、ブランドの価値観とミッションを確立し、明確なメッセージとして伝えましょう。

対外的に打ち出した価値観が、企業文化として社内でしっかりと根付いていることも重視されます。うわべだけではZ世代を説得できないのです。信頼感を大切にするZ世代の心をつかむには、社内の状況を情報開示する透明性や、不祥事があったときにきちんと説明するアカウンタビリティも重要です。

2.ブランドの個性を確立する

Z世代の好みはミレニアル世代の好みとは大きく異なります。ミレニアル世代にはミニマルでスマートなデザインが好まれましたが、Z世代に好評なのは、奇抜なセンスで個性的な、大胆デザインです。広告コンテンツでも、気軽でおちゃらけた表現が人気を集めています。無難なクールさよりも、人目を引く個性的なブランドイメージを目指したいところです。

3.従来のマーケティングよりも「リアル」を重視

Z世代には伝統的なマーケティング手法が通用しません。たとえば、広告に有名な俳優を起用するよりも、信念を持って地に足のついた活動をしている「リアル」な人を採用することで訴求力が上がります。アーティスト、思想家、社会活動家など、ブランドの価値を体現する人を起用しましょう。顧客が共感できる価値観や悩みを持っていることがポイントです。

4.コンテンツは短く、楽しく

大量の情報にさらされることに慣れ、情報の取捨選択能力が高いZ世代。注意力のスパンはなんと8秒だといわれ、この短い時間で注意をひく必要があります。それには、楽しいコンテンツを作り、Z世代に馴染みの深いプラットフォームにアップすることが大切です。インスタグラムやフェイスブックなどの「ストーリー」機能は、短い動画を24時間限定でプロフィールに表示することができるので、Z世代への訴求にぴったりです。

また、プラットフォームによってコンテンツの内容を変える必要があります。インスタグラムでは向上心に訴えかけるコンテンツ、フェイスブックでは有益なコンテンツ、といった使い分けをすることで、メッセージが格段に届きやすくなります。

5.コミュニティを育む

Z世代はアメリカで最も「孤独な世代」であり、価値観を共有できるコミュニティを求める傾向があります。企業は、商品やブランドのファンのコミュニティを形成することで、Z世代の顧客を囲い込むことができます。

コミュニティを作るにはいくつかの方法があります。独自のプラットフォームやネットワークを持つ「リアル」な人物をアンバサダーとして広告に起用し、その人のファンに語りかける方法が一つ。また、長年のご愛顧に感謝を込めて、顧客にメッセージを送ってお祝いしたり、Z世代のフィードバックを商品開発に活用するのも有効的です。

まとめ

まだZ世代向けマーケティングの手法が広く知られていない今は、マーケティング戦略を練り始めるのにぴったりの時期です。Z世代へのマーケティングには難しい面もありますが、彼らの行動原理をよく学んで働きかければ、大きな反応を得ることができます。

著者: Hitomi.N

IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。

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