アトリビューション分析~Eコマースマーケティングに最適な評価手法~ Part 2

アトリビューション分析~Eコマースマーケティングに最適な評価手法~ Part 2

前回のPart 1は、マーケティング予算の最適化に有効なアトリビューション分析について紹介しました。どのような広告やキャンペーンがお客様の購入に影響を与えたのか、それぞれのメリットとデメリットを含めて解説しました。今回のPart 2は更に深堀していき、アトリビューションモデルについて分析してみましょう!

基本的なアトリビューションモデル

アトリビューションモデルには大きくシングルタッチアトリビューションモデルマルチタッチアトリビューションモデルの2つに分類されます。シングルタッチアトリビューションモデルはよく知られているファーストタッチモデルやラストタッチモデルのことで、顧客のタッチポイントの1点だけに購入の貢献度を関連づけます。シンプルでわかりやすいですが、複数のタッチポイントの効果判定ができないため、最近はあまり使用されていません。マルチタッチアトリビューションモデルは購入に至るすべてのタッチポイントを調べて広告の貢献度を判定するため、正確なモデルとみなされています。最近はこのマルチタッチアトリビューションモデルが主流ですので、代表的なモデルを3つ紹介したいと思います

1. 線形アトリビューションモデル(Linear Attribution)

最もシンプルなマルチチャネルアトリビューションモデルで、購入に至るすべてのタッチポイントに均等に貢献度を割り振って評価します。単純ににたくさんクリックされた広告が最も効果が高いと評価します。ただし、重要度を考慮しないため、例えば、SNS広告でECサイトにユーザーを訪問させたのに、その後ダイレクトで19回サイトを訪れて商品を購入したとすると、ダイレクトの貢献度が95%、SNS広告の貢献度が5%となり、正しい評価なのか疑わしくなってしまいます。

2. 減衰アトリビューションモデル(Time Decay Attribution)

購入に最も近いタッチポイントに最大の貢献度が割り振られ、購入からさかのぼるにつれ貢献度が少なくなっていきます。全てのタッチポイントを評価ますが、ラストクリックモデルに近いモデルです。そのため、最初にECサイトに訪問させたタッチポイントは評価されにくくなってしまいます。

3. U字型アトリビューションモデル(U-Shaped Attribution)

リード生成(見込み顧客獲得)に焦点を当てたマーケティングを行う場合に最適なアトリビューションモデルです。ある2つの重要なタッチポイントに40%ずつ貢献度を与え、残りの20%をその他のタッチポイントに均等に割り振ります。リード生成以外のタッチポイントの貢献度が考慮されないのが欠点ですが、マーケティングの目的がリード生成に絞っているのであれば、非常に理想的なモデルです。

まとめ

アトリビューション分析は顧客単位でデータ分析している点で、パーソナライズされたマーケティングにつながるとても優れた評価手法だと思います!Eコマースでは主にデジタルマーケティングを行うので、データを取得しやすく非常に相性がいいです。高度な分析をしようと思うとハードルが高いですが、Google Analyticsなどのツールを使って簡単な分析から始めてみてはいかがでしょうか?

著者: Natsuki.S

アプリの企画開発・運用を行う際にGoogle Analyticsを使った分析を始め、その後、トランスコスモスで分析専門チームに所属し、本格的にWebサイトの分析に従事。
主にGoogle Analyticsの計測設計・設定・レポーティングを担当。

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