現在アメリカでは、ポッドキャストなどの人気上昇にともなって、デジタルオーディオマーケティングに注目が集まっています。大きなリターンの見込めるオーディオアド。特徴と成功の秘訣を紹介します。
急成長が続くデジタルオーディオ
平日の通勤中に、休日に家を掃除しながら、毎日のジョギングのおともに。ポッドキャストや音楽ストリーミング、オンラインラジオなどのデジタルオーディオを利用する人は増え続けています。米国ではインターネットユーザーの4分の3以上がデジタルオーディオを利用。中でもポッドキャストは7千3百万人のリスナーを誇り、今後も急増が続くと予測されています。
当然ながら、デジタルオーディオアドに注がれる費用も上昇中です。2018年の調査ではオーディオ広告収入は前年比22.9%増となり、その後も右肩上がりを続けています。
デジタルオーディオマーケティングが効果的な理由
では、広告費に見合う成果がオーディオアドには見込めるのでしょうか。答えはイエス。ポッドキャスト広告で有名になった数々のスタートアップの成功事例を追うように、現在では大企業もオーディオアドに注力しています。
デジタルオーディオマーケティングの効果が高い理由はいくつかあります。
まず、多くの人がモバイル機器で聴取するため、デジタルオーディオは自宅や外出先など生活のさまざまな場面に溶け込んでいます。ある調査によると、平均的なアメリカの成人は1日に3時間モバイルアプリを使い、そのうち53分はオーディオが占めています。
デジタルオーディオは基本的に他のことをしながら聴くものですが、聴取にはある程度の集中力を必要とします。また、視覚的メディアのように同時に複数のマーケティング情報にさらされるということがありません。オーディオアドでは、リスナーの耳と注意を独占することができるのです。
また、特にポッドキャストではプログラムの熱心なファンが多く、番組内で流れた広告に対しても親しみを感じやすいようです。若い世代の広告嫌いはマーケターの悩みの種ですが、ポッドキャストリスナーのうち実に78%がスポンサーシップをよしとしているという調査結果があります。さらに、リスナーのおよそ67%がポッドキャストで聞いた広告のブランドを記憶しており、なんと60%が実際に何かを購入したことがあるそうです。
番組のバラエティが非常に豊富で、通常のデジタル広告よりもターゲットを絞り込みやすいのも特徴です。ブランドにぴったり合った番組に広告を乗せれば、興味と需要のあるオーディエンスの耳にメッセージを届けることができます。
広告フォーマットはいろいろ
デジタルオーディオアドのフォーマットで一般的なのは下記の4つです。
1. 録音済みのスポット広告
事前にメッセージを録音したもの。さまざまなデジタル・オーディオのプラットフォームで流すことも、特定のチャンネルやプレイリストにだけ流すこともできます。
2. ブランデッド・チャンネルやプレイリスト
音楽ストリーミングサービスでの広告によく使われます。
3. ネイティブ広告
主にポッドキャストで使われます。プログラムのホストが番組内で広告メッセージを読み上げるため、聴取者にとってストレスが少なく、メッセージが魅力的に聞こえます。
4. ブランデッド・ポッドキャスト(またはポッドキャストのスポンサーになる)
ホストと協力して新たなシリーズを始める、既存ポッドキャストのパートナーになるなどの方法があります。
ポッドキャスト広告で成功するヒント
デジタル・オーディオマーケティングの中でも一般的なポッドキャスト広告。新規顧客の獲得が期待できますが、効果的なキャンペーンを打つのが簡単というわけではありません。広告費を最大限に活用するヒントを紹介します。
1. 番組途中の枠で広告を流す
ポッドキャスト広告の枠は、通常、番組の前、途中、後の3箇所にあります。きちんと広告を聞いてもらうには、番組途中の枠がベストです。
2. 自社にぴったりの番組を
ポッドキャストのテーマやオーディエンスは非常に幅が広く、自社製品やサービスにフィットする番組を戦略的に選ぶことが大切です。
3. 時間をかけて効果を評価
一度広告を流しただけでは効果は出づらいため、8エピソードに連続して広告を出し、キャンペーン終了後に結果を分析するのがおすすめです。
4. 計測ツールを活用
ポッドキャスト広告の効果を測定するために、プロモコードなどのツールを活用しましょう。SNSでの反響も要観察です。
5. ホストの魅力を信じて、活用する
リスナーの信頼するホストが広告を読むことで、メッセージが温かく受け入れられます。広告原稿はアドリブの余地を残しておくのがおすすめです。
自社商品やサービスにぴったりの「声」を見つけて、デジタルオーディオマーケティングの波に乗りましょう。
IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。