TikTokは、世界で最も人気のあるソーシャルメディアプラットフォームの一つです。 ダウンロード数は 20 億を超え、月間アクティブユーザー数は約 8 億 5,000 万人を誇ります。
巨大なユーザー数にリーチする可能性を持ったTikTok広告は、高いマーケティング効果が期待できます。 そこでこの記事では、TikTok広告とは何か、広告の種類やそれぞれの特徴、作成方法など基本的なポイントをご紹介します。
TikTok広告とは
TikTok広告は、企業やクリエーターが特定のターゲットユーザーに対し、主にフルスクリーン動画でプロモーションをする、ショート動画用の広告です。10代から20代に圧倒的な人気を誇るTikTokは、若年層に対するソーシャルメディアマーケティングに最適です。配信する広告を通じ、ブランド認知度向上や商品・サービスの販売促進などを目指します。
TikTok広告はユーザーのフィードに自然に組み込まれ、エンターテイメント性の高いコンテンツとして馴染みが良く、受け入れられやすい特徴があります。高いエンゲージメントにより商品やブランドに対する認知度の向上、トラフィックの増加を通じ、売上アップを目指すことが可能です。
また、TikTokの高度なターゲティングオプションにより、年齢、性別、興味・関心、行動パターンなど、細かな条件でユーザーの絞り込みができるため、広告効果の最大化にも繋がります。
Tiktok広告とGoogle広告・Facebook広告の違い
マーケティングの観点から、TikTok広告には、Google 広告やFacebook広告と違ってどのような特徴があるのでしょうか?
TikTok広告は他のWeb広告に比べ、高いエンゲージメント率を誇ります。オムニコア・エージェンシーのデータによると、TikTokユーザーの90%は毎日複数回アプリを開き、平均視聴時間は1時間以上です。ユーザーは動画閲覧を娯楽として楽しむだけでなく、広く情報収集にも活用しています。
TikTok広告の種類と特徴
TikTok広告には、主に6種類あります。下記で、種類別の特徴と、どのような目的で利用するのが効果的かをご紹介します。
1. インフィード広告(In-Feed Ads)
ユーザーの「For You」ページに自然に表示される広告スタイルです。スキップ可能な5~60秒の動画広告で、他の動画コンテンツとシームレスに溶け込むように設計されています。CTAを設置することも可能で、外部のサイトへと誘導することができます。ブランド認知度の向上に適しており、インフルエンサーとのコラボレーションでブランドリコールを後押しします。
2. トップビュー広告(TopView Ads)
インフィード広告のうち一番最初に表示される広告で、3秒間は必ず再生されます。3秒間でインパクトを与える動画制作が必要ですが、必ず視聴されるという非常に大きなメリットがあります。インフィード広告同様、Tiktok広告で一般的な広告であるため、最初はインフィード広告かトップビュー広告から始めることをお勧めします。
3. ブランドテイクオーバー広告(Brand Takeover)
アプリ起動時に5秒間自動再生されるフルスクリーン広告です。ユーザーがアプリを開いた瞬間に表示されるため、他の広告タイプと比べて確実に目に触れる広告なので、新発売のキャンペーンやブランド認知に非常に効果的です。一方、ユーザーが自動的に繰り返し目にする動画となるため、飽きさせない工夫が必要です。訴求内容に一貫性を持ちつつ、複数の動画を作成する必要があります。
4. ブランドエフェクト広告
ブランド自身でオリジナルステッカーやARフィルター、レンズを作成する機能を使った広告です。ユーザー生成コンテンツ(UGC)の促進や、キャンペーンや企業活動の認知度を広めたい時に向いています。ブランドエフェクト広告は他の広告フォーマットと組み合わせるとより効果的になります。例えば、有名人がトップビュー広告のキャプションでブランドエフェクトを使いハッシュタグを付けるといった方法です。ただし、動画の制作に加えてオリジナルステッカーなどの作成も必要となるため、まとまった予算が必要となります。
5. ブランドハッシュタグチャレンジ広告(Branded Hashtag Challenge)
ブランドハッシュタグチャレンジ広告は、ユーザーに企業が設定したハッシュタグによる動画投稿を呼びかける、ユーザー参加型の広告です。ユーザーのクリエイティビティを刺激でき、バイラル効果が見込めます。インフィード広告やトップビュー広告と同時に展開することで動画の拡散とチャレンジへの参加を促進でき、より大きな効果が期待できます。
6. スパーク広告(Spark Ads)
インフィード広告の一種で、自社の投稿またはクリエイターの投稿動画(使用する場合は許可が必要)など、既存のTikTok動画を広告として活用できる点が特徴です。ユーザーは広告からブランドのTikTokアカウントにアクセスして、投稿動画の音源を使って自身の動画を作成したりすることが可能です。設定が比較的簡単なことに加え、広告費の支払いを停止してもユーザーの動画が消えることは無いため、非常におすすめの広告です。TiktokアプリのUIがリニューアルされたことにより、従来よりもコンバージョン率が69%高くなり、CPA(顧客獲得単価)は37%低くなりました。
このようにTikTok広告は、広告スタイルによってマーケティング目的に対応し、高いエンゲージメント率を目指せる広告プラットフォームです。
TikTok広告を作成する方法
ここでは、マーケティング成果を出せる効果的なTikTok広告を作成する4つのステップと6つのコツを紹介します。
<TikTok広告制作の4つのステップ>
TikTok広告は下記の4つのステップで作成できます。
1. TikTok Ads Manager(TikTok広告マネージャー)にアクセスする
TikTok Ads Managerにアクセスし、[Campaign(キャンペーン)] から [Create(作成)] をクリックします。キャンペーンの種類(簡易モード・カスタムモード)を選択します。
2. キャンペーンを設定する
マーケティングに合った目的 (「認知度」「検討」「コンバージョン」) を選択し、キャンペーン名を入力します。また、キャンペーン全体の予算設定もここで行います。
3. 広告グループを作成する
広告のグループ名を設定します。さらに、[Placement(配置)>Advanced Settings(詳細設定)]では、ユーザーのコメントやダウンロード、共有の可・不可が選択可能です。 続いて、配信ユーザーの位置情報、性別、年齢層、言語などをターゲティングで絞り込みます。併せて、広告の掲載期間や広告の配信時間帯を調整すると、1日あたりの予算を個別に設定できます。
4. 広告をアップロードする
動画または画像をアップロードします。ここで、キャプションやランディングページのURL、トラッキングの設定を行い、 [Submit(送信)]をクリックすれば作業は完了です。通常24時間以内にTikTokによる審査結果が通知されます。
<TikTok広告を作成する6つのコツ>
TikTok広告をより効果的なコンテンツにするためのコツを6つ紹介します。
1. 最初の3秒で注目を引く
短時間に大量の動画をスクロールするユーザーに向けて差別化するためには、インパクトのあるビジュアルやキャッチコピーが求められます。
2. TikTokの仕様を遵守する
TikTokが指定する動画のサイズや形式を正しく設定し、一定以上のクオリティを出すことが重要です。
3. 広告を頻繁に更新する
ユーザーが飽きないように、1週間を目安に広告を更新し、「広告疲れ」を防ぐ必要があります。
4. TikTok広告ライブラリを活用する
自社広告のブラッシュアップのため、世界中のトレンドや他社の成功事例の研究も大切です。
5. 重要な情報を画面の中央に配置
TikTokのUIによって動画の一部が隠れる場合があるため、For Youやフォローページで情報が遮られないように画面中央を意識した広告制作を行います。
6. 広告の言語をローカライズする
ターゲット地域に合わせて言語を変えましょう。グローバル配信の場合は、翻訳による字幕や吹き替えも検討します。
このように、基本的なTikTok広告制作のステップとコツを把握した上で、より効果的なマーケティング広告を策定・実行することが重要です。
TikTok広告によるマーケティングを検討しよう
TikTok広告は高いエンゲージメント率と若年層へのリーチに優れており、特にバイラルマーケティングにおすすめのマーケティング手法です。ブランドの認知度向上や新商品の宣伝、キャンペーン展開に向いています。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。