2021年も残り1か月となり、2022年の足音が聞こえるようになってきました。今年は新型コロナウイルス対策の緩和などにより、同じコロナ禍の中とはいえ、2020年とは異なる1年になったのではないでしょうか。今回はそんな2021年のB2Bマーケティングトレンドを振り返っていこうと思います。また、簡単にではありますが2022年のB2Bマーケティングトレンド予測についても紹介しようと思います。
<2021年のB2Bマーケティングトレンドの振り返り>
・AIを活用したサービスの個別化
・プライバシー保護の強化
・B2Bの業界における取引のリモート化
・コンテンツマーケティングの重要性の高まり
以上が2021年の主なB2Bマーケティングトレンドです。
AIなどの技術発展に伴い、様々な面で効率よく作業を行うことが可能になったため、ターゲットごとに個別化されたサービスをいかに提供するかという点が注目を集めました。一方、個別化されたサービス提供の競争が激化する中で、プライバシー保護の重要性も叫ばれるようになりました。また、B2B業界においても取引のリモート化が進んだこと、コンテンツマーケティングが普及し、多様なコンテンツが溢れる中でどのようにクライアントを引き付けるかについて各社が工夫を凝らしたことも2021年のトレンドとして挙げられます。それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。
AIを活用したサービスの個別化
企業のマーケティング担当者を対象に行われた調査で、その82%が「個別化された消費体験はリードの獲得につながる」と回答したことが明らかになっています。この結果から、単なる商品販売ではなく、個別化された「消費体験」の提供を多くの企業が重要視していたことがうかがえます。AI技術は急速な進化を遂げており、人的ミスの予防やコスト削減に留まることなく、効率的な情報収集や精度の高い情報分析を可能にしました。AIを搭載したサービスが数多くリリースされていることもあり、2022年はこれらを活用したさらなる消費体験の個別化がトレンドとなると予測されています。
プライバシー保護の強化
GoogleやAppleなどの大手企業がプライバシーに関する規制強化を発表し、注目を集めたことは記憶に新しいのではないでしょうか。このように近年ではあらゆる場面でプライバシー保護が叫ばれており、この傾向は今後も継続するどころか、さらに強まるのではないかと予測されています。そのため、マーケティング担当者は各種施策がプライバシーの侵害を招かないかどうかについて、今後も継続して注意する必要があるでしょう。
B2Bの業界における取引のリモート化
これまで、オンラインでの商談はEC業界や少額の取引が中心の業界でのみ導入されていましたが、新型コロナウイルスの影響で業界を問わずリモート化せざるを得なかった2020年を経験したことで、2021年にはB2Bの業界においても積極的にリモート化を進める流れが見られました。実際にB2Bの企業担当者を対象に行われた調査では、その70%が$50,000以上、27%が$500,000以上の取引についてリモートで商談を行うことに抵抗がないと回答しています。
コンテンツマーケティングの重要性の高まり
2021年はコンテンツマーケティングが注目を集めました。一方で、多様なコンテンツが溢れたことで、その競争は激化し、単純なコンテンツを提供するだけでは利益につなげることが難しくなっています。Gartnerの調査によると、企業が購買活動にかける総時間のうちほんの17%ほどしか、各種コンテンツに目を向けている時間はないことが明らかになっています。そのため、短時間でターゲットのニーズを満たす「価値ある」コンテンツを提供することが重要となります。誰をターゲットに定めるか、彼らはどのような課題を抱えているのか、その解決には何が必要なのかなど、綿密な準備の下、コンテンツ制作に臨むようにしましょう。
<まとめ>
今回は2021年のB2Bマーケティングトレンドの振り返りを行いました。皆さんはトレンドに沿った効果的なマーケティングを実現できていましたでしょうか。2022年のB2Bマーケティングトレンド予測では、上述の2021年のトレンドが継続し、さらに強まるのではないかと考えられています。2021年の振り返りと併せて2022年の計画についても早めから準備していただければと思います。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。