アメリカでのEC事業展開を検討する際に「何を売る」を決めた次に決めないといけないのは「(その商品を)どこで売るか」だと思います。例えば中国だとTmallなどのモール/マーケットプレースがECチャネル上の多くを占める為、「マーケットプレースで売る」がEC販売チャネル戦略の軸になったりすると思います。
アメリカの場合はどうでしょう?
基本的なイメージは日本と変わらないです。企業のEC販売においては販売チャネルの軸となるのはやはり『自社ECサイト』であり、モール/マーケットプレース系の販売チャネルを扱う商材や、ブランディング、販売戦略などに応じて二次的に選択していく事になると思います。
「どのマーケットプレースで売れば良いの?」かについては次回の記事で触れるとして、今回はアメリカ市場展開におけるEC販売チャネルの軸となる「自社ECサイト」について、具体的には、「どのシステムを使って自社ECサイトを構築するべきか」について案内をしていきたいと思います。
残念ながら日本のシステムは使いものになりません
日本のプラットフォームはやはり日本の市場向けにできており、通貨も違えば、課すべき税の仕組み、用意されているテンプレートから、プラグインまで、アメリカ市場向けにはやはりその市場向けに用意されたプラットフォームが適しています。日本でお使いのシステムをカスタマイズして利用することも技術的には可能だとは思いますが、全てがスクラッチからのシステム開発になる為、膨大な費用と期間が必要になるのは間違いなく絶対にお勧めできません。
アメリカには無数のECプラットフォームが存在
クラウド系、パッケージ系、オープンソース系、、日本にも様々なソリューションがありますが、アメリカにはその数倍、数十倍の選択肢が存在しています。売上、取り扱う商品、商品数、機能、デザインの自由度、他サードパーティサービスとの連携、、、ECプラットフォームの選択においては予算や実現したい事の優先度によって最も適したソリューションを選択する事が、その後のEC事業の成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
同じ機能を追加するのにも選択するプラットフォームによって費用が20倍以上も差がでる?
過去実際に遭遇した例ですが、企業Aは将来的なシステム要件をあまり検討することなく、低い導入コストと運用コストを理由にあるパッケージ系ソリューションを選びました。販売する商品の性質上、「定期購買」のオプションが一部の顧客からニーズが高いことがわかり、その機能を追加する事になりました。しかし定期購読の機能は選択したECプラットフォームには装備されておらず、その機能の開発・実装を外部ベンダーに追加発注する事になり、2万ドル以上の費用がかかりました。現在アメリカで主要となっているECプラットフォームではそのよう機能は少なくともサードパーティのプラグインが用意されており導入は即日、費用も$100ほどで同じ機能が実現できます。
例えばこのようなプラグインの存在を知っている知らないで、運用コストや追加機能の実装コストは1桁も2桁も異なってきますので、ECプラットフォームの選択は大変重要な経営判断のひとつと考えるべきです。
アメリカ市場向けECプラットフォームの選び方
基本的にはシェアが高いプラットフォームを選択する事を以下の理由からお勧めします。
・必要な機能がカバーされている
・サードパーティのプラグインが多く用意されている
・プラットフォームのアップデート、機能追加が継続的に行われる
・カスタマイズまたは管理できるベンダーや人が多い
・急に無くならない
次回のブログでは「アメリカ現地EC専門家が進めるECプラットフォーム4選」としてアメリカのEC事業展開において日本企業が選ぶべきECプラットフォームについて具体的にご案内していきます。
著者: Daisuke.S
Eコマースソリューション営業
在米12年。トランスコスモスにおけるコールセンター事業運用のバックグラウンドを持ち、現在は日系企業を対象にECによる米国進出を営業の立場から支援。