Eコマースの世界で、優良顧客を増やすための方法としてロイヤリティプログラムが注目されています。この記事では、ロイヤリティプリグラムが必要な理由や抑えるべきポイントなど、知っておきたい基礎知識をお伝えします。
ロイヤリティプログラムはなぜ大切なのか
コロナ禍の影響でオンラインショッピングがますます盛んになり、ECブランド同士の競争も激化する一方です。そんな中、既存の優良顧客を増やし、引きつけ続けることの重要性は今まで以上に高まっています。既存顧客は新規顧客よりも多く購入する傾向があり、利益増につながるためです。また、ブランドのファンとして良い評判を周りに広める「アンバサダー」になってもらうこともできます。
かつては、販売価格を低くしたり、クーポンを発行したりすることが顧客を引きつけるために有効でした。しかし、今その方法だけに頼っていては他のブランドやAmazonなどの巨大ECサイトにすぐ負けてしまいます。経済的なインセンティブだけでなく、プラスアルファの価値を提供し、顧客との間に感情的なつながりを築く必要があるのです。
そこで役に立つのが、ロイヤリティブログラムです。顧客にブランドのメンバーとしてアカウントを持ってもらい、商品購入など顧客のさまざまなアクションに対してポイントを発行します。ポイントがたまると、サイトから提供される 各種特典を活用できるというプログラムです。
表面上は昔ながらの「ポイントカード」のデジタル版ともいえますが、近年のロイヤリティプログラムにはポイントカードよりもはるかに高いポテンシャルがあります。ロイヤリティプログラムを通して顧客にシームレスで快適な購買経験を提供したり、ソーシャルメディアでのエンゲージメントを高めて顧客とブランドの絆を強めたりすることもできるのです。
成功するロイヤリティプログラムのポイントは?
自社サイトにロイヤリティプログラムを取り入れるにあたって、顧客を引きつけるための重要なポイントが5つあります。
1. 階層制度を取り入れる
より多く商品を購入したり、ポイントをたくさん獲得したりすることでメンバーシップがレベルアップし、よりよい特典を得られるようにします。これにより顧客のサイト訪問が増え、購入頻度アップにもつながります。
2. 特典獲得の手段をいくつか用意する
購入金額や購入回数に応じたポイントの他にも、特典ゲットにつながる方法を準備しておくとよいでしょう。プログラム構築の際に利用するアプリやシステムの種類によっても異なりますが、ニュースレターへの登録、友だち紹介、レビュー執筆などの他、衣服を寄付するなどのチャリティ的な行動にリワードを設定できることもあります。
3. 魅力的な特典を提供する
値引きやクーポンなどお金に関する特典は人気ですが、顧客が求めているな特典をプラスすることでより魅力的なプログラムになります。送料無料や無料サンプルプレゼント、セール情報への優先アクセスなどに加えて、貯めたポイントを寄付できるオプションも人気です。
4. ゲーミフィケーションがカギ
ゲーム的な要素を取り入れることで、顧客に頻繁にサイトを訪問してもらえます。階層構造を取り入れたり、ミニクイズやチャレンジでポイントを獲得できるようにしたり、商品レビューを書くとバッジがもらえるようにするなどの方法があります。努力してポイントを獲得した顧客は、ブランドへの強い愛着をおぼえるでしょう。
5. 顧客データをフル活用しよう
特典で顧客に直接的に価値を還元するほかに、ロイヤリティプログラムには間接的な顧客へのメリットもあります。プログラムを通して収集したデータを活用すれば、顧客によりパーソナラライズされた快適な購買体験を提供できます。
失敗を避けるために気をつけたいこと
せっかく苦労してロイヤリティプログラムを構築しても、顧客をうまく引きつけられなくては意味がありません。
まず、顧客関係管理(CRM)がきちんとできていなければ、ロイヤリティプログラムは十分に機能しません。ブランドを愛用してくれるコア顧客が誰なのかということは、事前にしっかりと把握しておく必要があります。
また、ロイヤリティプログラムを最初から複雑にしすぎるのもよくある失敗です。とりわけ、特典の利用手続きはわかりやすく手軽なことが大切です。まずはシンプルなプログラムを作り、顧客からのフィードバックに応じて機能や特典を追加していくのがよいでしょう。
ロイヤリティプログラムは自社ですべて構築することもできますが、時間と労力がかかりすぎる場合があります。プログラム構築を簡単にできるソフトウェアやアプリを活用するのがおすすめです。
まとめ
ロイヤリティプログラムをうまく構築すれば、ビジネスを成功に導いてくれる心強いツールになります。プログラムに自社ブランドの雰囲気や価値観を反映させ、ユニークで顧客が使いやすいプログラムを作り上げましょう。
弊社では長年にわたりアメリカへ進出した企業様のEC運用をサポートしてきた実績とノウハウがあります。企業様のビジネスに寄り添った提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから。
著者: Hitomi.N
IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。