先日に投稿した【2019年版】アメリカ Eコマース トレンド予測 記事にて 消費者の購買意欲を制限しないように簡単でシンプルな決済システムの用意が大事とご紹介しましたが、本日はマーケティングの視点から決済システムをご紹介していきたいと思います。
店舗でのお買い物はレジに並んで、POSの機械にクレジットカードをスワイプまたはチップカードを入れて商品を購入するのとは異なりインターネットショッピングでは購入完了までのステップが多く、お届け先、請求書住所、配送方法、支払い方法の入力、入力内容の確認、その後、注文を確定して、購入完了となります。
煩雑なステップが長ければ購入意欲の低下につながってしまうため、チェックアウトプロセスを如何にシンプルにするかがキーポイントとなります。モバイルデバイスで買い物する機会増えてる時代ではさらに重要になるでしょう。
この市場のニーズに応じてインターネットショッピングは下記の3つの傾向が重視されています。
- チェックアウトプロセスの短縮
- 電子マネーの対応
- クレジットカード離れした若者の新しい決済方法
では、実際に一つずつご紹介します。
チェックアウトの短縮
チェックアウトプロセスをシンプルにするのが最もユーザーに分かりやすく、使いやすくなります。
ワンページ購入完了できる、住所の自動反映機能、郵便番号検索など以外、Amazon PayやPaypalの決済方法が多く増えてきました。
Amazon を一度使用したことであれば、住所とカード情報が紐づいてる、Amazon Payが通用サイトに一度ログインすれば、入力なしで購入が楽にできる。入力も煩雑なアカウント制作、パスワード入力する時間すべて省くことができる便利な時代だ。
Amazonで一度でも購入した経験がある場合、Amazon Payが利用できるサイトであればアマゾンアカウントでログインすることで、アマゾンに登録されている住所とクレジットカード情報が反映されます。新しくアカウントを作成したり、住所やクレジットカード情報を入力する手間を省くことができる便利な時代です。
電子マネーの対応
2017年のモバイル利用はインターネットショッピングの34.5%を占めており、2021年にこの数値は54%にまで上昇するといわれています*。この急成長の一番の理由は、「銀行口座とクレジットカードのモバイル化」たといえるでしょう。クレジットカードをアップルペイ、グーグルペイなどに登録さえすれば、携帯電話だけでいつでも、どこでも買い物ができます。Statistic Brainによると9割弱*のアメリカ人がクレジットカードを持っていて、平均保有枚数は1人あたり4枚、さらに平均カードの未払い額が1人当たり$4,293、なんと40万円を超えているのには驚きです。Shopify Paymentを始め、たくさんの決済システムがモバイルペイメントの導入を急ぎ、その中でもGoogle, Appleの導入が最も多くみられます。
クレジットカード離れした若者の新しい決済方法
近年のトレンドとして若い年齢層のクレジットカード離れが拡大し、Bankrateによると18歳~29歳の年齢層ではたった3割強の人しかクレジットカードを使用していません。この背景として、新しい決済方法の急成長が挙げられます。その代表が「ローンサービス」です。このサービスの代表はAffirmとKlarnaで、購入したいものだけをマイクロローンを組んで手に入れる決済方法で、6ヶ月から3年以内の期間内で一定の金利で支払いプランを自由に選びます。サイトによっては6ヶ月ゼロ金利のプロモーションも多くみられます。
マーケティング観点から、この決済の一番の魅力は、ユーザーがローンを利用しやすいという点です。
単なる決済方法だけではなく、コンバージョンを高め、新規獲得UP、売上UPする効果もあります。元々クレジットカードを使用するユーザーが新しい決済方法を利用するようになったという論点もありますが、実際導入しているOverstock.com, Lenovo, TaylorMade, Rancourt & Coのケースステディでは前年比大幅成長したケースもあるので、興味深いです。
Affirm社とKlarna社を利用している会社は、単価100ドル以下のファストファッションから数千ドルもする高級時計まであり、幅広いです。イノベーティブな商品、ブランド力がある高価格帯の商品、高単価の電気製品などに最適でしょう。
まとめ
日本のコンビニ決済、着払いに比べるとアメリカはクレジットカード中心のシンプルな決済手法ではありますが、カート、チェックアウト離脱することを防ぐことが共通の課題です。是非、この機会に上記にご紹介した内容を考慮してみてください。
著者: Clint K.
Digital Marketing Project Manager
Google, Facebookをはじめ、デジタルマーケティングサービスを日系企業を対象に提供し米国市場へのプロモーションを支援。