おもちゃ・玩具業界を牽引しているアメリカでは、毎年たくさんのおもちゃが開発・販売されており、北米最大の国際玩具見本市であるニューヨーク・トイフェアには、世界各国の新しいおもちゃが出店されます。そんなアメリカのおもちゃ・玩具市場規模、そしてEコマース市場の動向についてご紹介します。
■アメリカのおもちゃ・玩具市場規模
2015年のデータですが、アメリカのおもちゃ・玩具市場は255憶ドルで2位に約2.6倍の差をつけての1位です。続いて2位は中国(95憶ドル)、3位が日本(55憶ドル)です。近年は中国市場が拡大していますが、2017年時点でもアメリカは世界第1位のおもちゃ・玩具市場であることに変わりありません。
2015年 世界のおもちゃ・玩具市場規模
アメリカのおもちゃ・玩具市場が非常に大きいことはわかりましたが、最近はどのようなおもちゃが人気なのでしょうか?2017年上半期と2018年上半期のおもちゃの売り上げを種類別に比較したデータをご紹介します。
まず、アメリカのおもちゃ・玩具市場全体で2017年上半期よりも売り上げ合計が7%増加しており、市場規模が着実に拡大しています。
カテゴリ別にみていくと、昨年から変わらず、「アウトドア・スポーツ」カテゴリのおもちゃが全体の約25%の売り上げを占めており、市場を牽引しています。「人形」カテゴリのおもちゃは前年比17%増で、ついに10憶ドルを超えました。個人的な印象ですが、アメリカでは日本よりも「人形」で遊ぶ子供たちが多いと思います。バービー人形はもちろん、最近ではアメリカンガールという人形がとても人気で、人形に付随した本やDVDの販売も好調のようです。
■アメリカのおもちゃ・玩具のEC市場規模
それでは、アメリカのおもちゃ・玩具のEコマースの市場はどうでしょうか?おもちゃ・玩具のEC市場は2012年以降年々増加傾向にあり、2018年には213憶ドルの予想です。2013年と比較すると2倍以上に成長しています。
アメリカのおもちゃ・玩具売上推移(Eコマース売上高)
2018年、トイザらスがアメリカから撤退をした理由の1つにネット販売への対応が遅れたことが指摘されています。実際、アメリカのおもちゃ・玩具市場はEコマースの売り上げシェアが大きいカテゴリで、2011年以降徐々にEC化が進み、2021年にはおもちゃ・玩具の小売市場の28%をECの売り上げが占めると予想されています。
アメリカの小売市場のEC売り上げの割合
■まとめ
アメリカはおもちゃ・玩具市場が拡大し続けており、さらにEC化が進んでいます。最近、幼少期からスマホやタブレットを使う子供たちが増えていると思いますが、アメリカではモバイルメディアに費やす時間が2011年から2017年では3倍に増えたというデータが発表されています。子供たちがネットで新しいおもちゃを見つけ、親がECサイトで購入するというのはとても自然な流れで、おもちゃ・玩具のEC市場が拡大するのもうなづけます。
参照:
The Toy Association PERSPECTIVES: Global Outlook for Toys through 2022,U.S. Sales Data
Statista Us toys and hobby e-commerce revenue,Size of the toy market worldwide in 2015
eMarketer The Challenge of Selling Toys in an Increasingly Digital World
著者:Natsuki.S
アプリの企画開発・運用を行う際にGoogle Analyticsを使った分析を始め、その後、トランスコスモスで分析専門チームに所属し、本格的にWebサイトの分析に従事。
主にGoogle Analyticsの計測設計・設定・レポーティングを担当。