2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式が大きく変化した1年となりました。この生活様式の変化は自動車部品・カー用品業界にどのような影響を与えたのでしょうか。今回はHedges & Co.の市場シェア予測をもとに市場動向分析を行い、変化する市場に適応するために確認するべきポイントについてまとめていこうと思います。
自動車部品・カー用品業界の近年の動向と今後の予測
Hedges & Co.によると、自動車部品・カー用品業界におけるオンライン販売額は年々増加している傾向にあり、2012年時点では40億ドル弱程度であったにもかかわらず、2019年には約120億ドルにまで達しました。2020年には新型コロナウイルスの感染拡大によって実店舗販売からオンライン販売へのシフトがさらに加速しました。当初の予測では2020年のオンライン販売は140億ドル程度とされていましたが、現在ではオンライン販売の規模は160億ドルに及ぶと予測が見直されています。今後も自動車部品・カー用品業界ではオンライン販売額の増加傾向は続き2023年には約220億ドルに達すると考えられており、インターネットを活用した販売手法が注目を集めています。
新型コロナウイルスによる消費行動の変化
Hedges & Co.によると、新型コロナウイルス感染拡大によって自動車部品・カー用品業界に限らず、ほぼすべての業界において消費者は実店舗販売からオンライン販売を利用するよう大幅にシフトしています。自動車部品・カー用品業界では、アメリカでロックダウン等の厳しいコロナ対策が行われた時期でも、自動車修理工場は生活必需要素として営業を許可されていましたが、消費者は費用節約に加え、そこでの人的な接触を避けるために、自動車部品をオンラインで購入し自力で修理するようになりました。新型コロナウイルスが蔓延し始めた4月頃からこのような消費行動の変化がみられるようになり、オンライン販売に馴染みがなく利用してこなかった人などを含めた幅広い層からのオンライン販売の需要が急増しました。つまり、これまで以上に多くの人がショッピングにおいて「オンライン」という選択肢を持つようになったということです。企業はこのような消費行動の変化にしっかりと対応していくことが求められます。
オンライン販売攻略のポイント
2020年を契機にオンライン販売の重要度は今後も増していくと考えられるため、オンライン販売を制することが総合的な売上で結果を出すためには不可欠であると言えます。では、オンライン売上を増加させるには何が大切なのでしょうか?Hedges & Co.の消費者調査によると、消費者は目当ての商品を購入するにあたって主に以下の4つの方法で事前に情報収集するとされています。
・インターネット検索(74%)
・自動車部品・カー用品販売店のウェブサイト閲覧(73%)
・自動車部品・カー用品メーカーのウェブサイト閲覧(57%)
・自動車フォーラム閲覧(47%)
また消費者が情報収集の際に触れる主に以下の4つの要素が消費行動に直結すると考えられています。
・オンライン広告
・商品レビュー
・how toコンテンツ
・ビデオ広告
したがって上記の4つの情報収集手段、4つの要素に注目してウェブ集客を行うと効果的であると言えます。
Hedges & Co.による消費者の情報収集に用いるデバイスに関する調査では、数日あるいは数週間にかけてPCやスマホなど複数のデバイスで商品情報を収集した後、最終的にスマホで購入手続きをする場合が多いことが明らかになっています。この調査結果を考慮すると前述のポイントに加えて、ウェブサイトをPC用サイトとしてのみ最適化するのではなく、スマホからのアクセスも考慮したウェブサイト構築が重要であると言えるでしょう。
まとめ
今回は新型コロナウイルスによって大きく変化した市場動向、特に自動車部品・カー用品市場に着目して分析し、今後重視すべきポイントについてまとめました。是非上記のポイントを意識して、オンライン販売を強化していただければと思います。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。