<参入チャンス!?>ここ数年の比較から見るアメリカEC分野の顕著な成長

<参入チャンス!?>ここ数年の比較から見るアメリカEC分野の顕著な成長

インターネット上で売買される商品の種類は時代とともに多様になり、今やオンライン上での売買は私たちの日常生活において欠かせないものとなりました。この状況は消費者として見るとただ便利で素晴らしいものですが、経営担当者として見た際にECの活用に大きな可能性を感じている方は少なくないのではないでしょうか?

今回はそのような方に向けてアメリカEC事情をここ数年の実際のデータを用いて解説します。

アメリカのEC売上の推移

2019年アメリカのECの売上は$601.75 billionでした。2018年の売上は$523.64billionだったため、成長率は14.9%です。2017-2018年の成長率の13.6%よりも1.3ポイントほど上昇しており、アメリカのEC分野が着実に成長していることがうかがえます。

では、アメリカの小売業全体の売上はどうだったのでしょうか。小売業全体では2018年から2019年にかけて売上げは3.8%増加しましたが、2017-2018年の成長率の4.1%より0.3ポイント減少しており、小売業全体としては増加スピードがスローダウンしています。つまり、小売業全体が大きく伸びているというよりもEC分野が特に着実な成長を遂げていると表現する方が適切であると言えます。

さらに、このアメリカEC分野の成長をより詳細なデータから見てみましょう。2019年の四半期ごとの成長率を前年と比較するとQ1が11.6%、Q2が13.6%、Q3が17.4%、Q4が16.4%であり、2019年は下半期に大きく成長したことがわかります。また、Q3の17.4%という成長率は2011年のQ4に次いで二番目に高い成長率であり、そのことからもEC分野にとって2019年Q3が飛躍の時期であったことがわかります。

次に小売業全体に占めるEC売上の「割合」という観点から見てみましょう。

 

小売業売上全体に占めるEC売上の割合

2019年の小売業全体の売上に占めるEC売上の割合は16.0%でした。2018年が14.4%、2017年が13.2%であることから、小売業全体に占めるEC分野の売上は年々拡大していることを表しています。また、2019年の16.0%という数値は、統計を始めた2000年以降で最も大きな数値であったため、ここ数年のEC分野の伸びが顕著であると考えられます。

また売上利益基準で比較すると、2019年の年間小売業利益の内訳は店舗販売が43.1%でEC販売が56.9%でした。EC販売が店舗販売を上回ったことは歴史上3度しかなく、2019年は店舗販売以上にEC販売が成果を上げた年と言えるのではないでしょうか。

最後にこちらも四半期ごとの詳細なデータを紹介します。2019年Q4においてEC分野の小売業全体に占める売上の割合は18%にまでおよび、これは2018年Q4の16.1%を上回っています。またこれらの時期の売上利益基準で比較するとEC分野の小売業全体に占める割合は前者が65.2%、後者が52.2%となっておりこの点においても上回っています。

まとめ

今回はここ数年の年間売上、ECシェア、成長率、2019年と2018年の四半期ごとの詳細な分析から、近年のアメリカEC事情について解説しました。様々な要素の比較からEC分野が大きく成長しつつあり、またその伸びが加速度的なものであることがわかります。今後もEC販売可能な商品が増えるにつれて、より一層EC分野が成長することが予測されます。今回の分析結果からEC参入を検討してみてはいかがでしょうか。

著者: Shunji.O

デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。

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