みなさんはソーシャルリスニングをご存じでしょうか。SNSの発展に伴い消費者間の情報共有が活発になった現代において効果的な経営を実現するためにはソーシャルリスニングの実施が不可欠と言っても過言ではありません。今回はソーシャルリスニングとは何なのか、またソーシャルリスニングを実施するにあたって便利なツールについて紹介します。
ソーシャルリスニングとは
SNS上には消費者の自由な声が溢れています。自社や自社製品に対する意見、他社や他社製品に対する意見、業界を総合的に判断した意見などその種類は数多くあります。これらの情報を収集し自社の経営に活かしていくことをソーシャルリスニングといいます。
ソーシャルリスニングのメリットと事例
・消費者との関係性を向上させる
消費者が自社についての投稿をしたとき、投稿内容がポジティブな内容であれネガティブな内容であれ誠実に素早く反応することで、消費者一人一人を意識した活動を行っていることをアピールでき、消費者との関係性を向上させることに繋がります。Nikeは消費者によってTwitterに投稿された自社製品・サービスに関する疑問点について即座にTwitter上で回答するという取組みを行っています。またCoca-Colaは自社製品をお勧めする投稿に対して反応することでその製品への注目をより集めるようにしています。
・危機への対応能力を上昇させる
消費者は満足した製品についてのみ投稿するわけではないので、自社についてネガティブな内容の投稿があった場合にはその点についてフォローする必要があります。SNSは他者の意見をリアルタイムで知ることができるという特徴を持っているため、必然的に過去の投稿への関心はすぐに無くなってしまいます。そのため投稿内容にフォローを加えるのであれば反応までのスピード感が重要になるわけですが、ソーシャルリスニングを実施していればこの点も問題ありません。Nikeはバスケットボールの試合中に自社のシューズが裂けてしまうアクシデントが生じた時にその問題に対する反応をいち早く示したことで、ブランドイメージが過剰に損なわれてしまうという事態を避けることができました。
・競合他社の動向を探ることができる
より良い経営を実現するにあたって、消費者の競合他社に対する投稿は自社に対する投稿と同じくらい重要な意味を持ちます。競合がどのような製品・キャンペーンで成功したのか、あるいは失敗したのかについて情報を集めることで自社の経営をより効率的に改善することができます。
・潜在的な消費者を獲得することができる
無数の消費者が存在するSNSでの情報を活用することで、潜在的な消費者と自社とを紐づけるきっかけ作りが可能になります。
・自社に好意的なインフルエンサーを発見できる
SNSの動向に注目することによって、自社に好意的なインフルエンサーを発見しコラボ活動を行うことができるかもしれません。近年ではTVで活躍する芸能人と同じくらいインフルエンサーは影響力を持っているのでSNSの動向に目を向けることは非常に重要です。
ソーシャルリスニングを行うときのポイント
より大きな成果を上げるためにソーシャルリスニングを行う際には以下の5点に注意しましょう。
- 消費者の声を総合的に吟味する
消費者の投稿がどんな内容なのかだけでなく、どのプラットフォームで投稿されたのかなど広い視野を持って情報を集めることでより効果的な戦略立案につなげることができます。
- 競合他社から学ぶ
前述にもある通り、他社への投稿も非常に重要な経営材料の1つです。
- 社内で連携して情報を活用する
消費者の声は様々な分野に及びます。それにたいしてサービスチーム、マーケティングチーム、製品開発チームなど社内で協力して対応することで効率よく情報を活用することができます。
- 変化に注目する
自社に対する消費者の声の変化を見逃さずに情報として集めることで、どのようにしたら自社を軌道に乗せることができるのか、あるいは失敗の道から正しい道へと引き戻すことができるのかについて分析することができます。
- 行動する
情報を数値として収集しただけではソーシャルリスニングではありません。その情報をもとに以下に行動していくかがソーシャルリスニングであり、最も重要であることを忘れないようにしましょう。
<ソーシャルリスニングに役立つおすすめツール>
・Hootsuite
・Hootsuite Insights (powered by Brandwatch)
・Synthesio
・Brandwatch Consumer Research
・Mentionlytics
・Sprinklr ※トランスコスモスアメリカ推奨
・Social studio ※トランスコスモスアメリカ推奨
以上に挙げた7個のツールはソーシャルリスニングを実施するにあたって非常に便利なものになっています。それぞれの強みはありますが、どのツールにも共通して言えることは複数のプラットフォーム上の情報を集める手間や情報整理・分析の手間を大幅に削減してくれるということです。自社にあったツールを見つけていただきその導入をご検討いただければと思います。
まとめ
今回はソーシャルリスニングをテーマにその重要性と実施するうえでのポイント、おすすめツールについて紹介しました。ぜひソーシャルリスニングの実施を検討していただければと思います。
著者: Shunji.O
デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。