Jetとは?より多くの割引と配達スピードでEコマースに存在感

Jetとは?より多くの割引と配達スピードでEコマースに存在感

インターネットショッピングサイトと言えばAmazon、というくらいに誰もが知っているAmazonですが、そのライバルとなりえるのが、世界最大の小売り業者であるWalmartが買収したJetです。Eコマース市場で、アマゾンとの競争力を高めるためにJetのウェブサイトを改良しています。では実際に、Jetとはどのようなマーケットプレイスなのか見ていきましょう。

Jetとは?

Jetは、毎月40万人以上の新規ユーザーを増やしながら成長しているオンラインショッピングサイトです。Jetのプラットフォームでは、2,400を超える小売業者やパートナーと呼ばれる一般の売り手が商品を販売しています。

2015年7月に立ち上げた当初は会員制のショッピングクラブで、販売者に手数料を請求するのではなく、顧客が年会費を支払うシステムでした。Jetに手数料を払う代わりに、販売者は商品の値段を下げることができ、Amazonなどのライバルよりも約15%低い価格を顧客に提供することが可能になるというビジネスモデルでした。

しかし、2015年の10月には、Jetは年会費を下げる代わりに商品ごとの変動手数料を請求する方向転換をします。どんなプラットフォームも、多くの人に利用してもらうということが成功には欠かせないことだからです。この変更は、新規の顧客を獲得し、リピーターを増やすことが目的でした。

そして、2016年8月にJetはWalmartに買収され、Walmartの子会社となりました。

Jetの仕組み

Jetの最大のセールスポイントは、顧客にはより良い価格で商品を提供し、販売者にはより高い収益性を提供するWin-Win(ウィンウィン)の市場を作るということです。

JetはAmazonと同じように、既存の商品カタログに複数の業者が登録して商品を販売します。もし販売したい商品のカタログが無い場合は、Jetチームがその製品を確認・承認したのちに新しいカタログが作成されて販売できるようになります。

JetにはAmazonのFBAのようなシステムもあり、顧客の住所と商品の場所を照らし合わせて、一番近くの倉庫から発送します。そうすることで配送コストを押さえ、遠くの競合他社よりも早く安く商品を提供することができます。Jetはさらに、食料品配達市場にも参入し、ニューヨークの一部の顧客には3時間以内に食料品を配達できるサービスを開始しました。今後Jetは配送センターを増やして、すでにニューヨーク市内で同日配達を提供しているTargetとAmazonを追随する見通しです。

他にJetの特徴的なサービスには以下のようなものがあります。

  • 「返品不可オプション」を選ぶと割引
  • まとめ買い割引
  • セールスEメールを受け取るを選択すると割引

このような多彩な割引オプションを提供することによって顧客の購買意欲を刺激し、販売側の利益増大につながります。特に、販売者が直接顧客にEメールを送れるというのは、とても大きなメリットです。Amazonでは、顧客と連絡を取りたい時にはAmazon内部のシステムを介する必要がありますが、Jetでは、顧客に直接連絡することが可能です。これによって独自のマーケティングも可能になり、将来の売り上げ増加につなげることができます。

まとめ

Jetは、小売業界最大手のWalmartが手掛けるインターネットショッピングサイトです。Eコマースの分野ではAmazonに遅れを取っていますが、ウェブサイトの改良や独自の割引オプション、さらには食料品・日用品の配達市場にも参入して着実に顧客を増やしています。

著者: Hitomi.N

IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。

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