Eコマースで最も重要なKPI

Eコマースで最も重要なKPI

ビジネスを行う上で、KPI(最重要業績指標)が重要なことはいつも指摘されています。反面、デジタルマーケティングではあらゆるデータの取得が可能で、逆にどのデータをKPIとして取り上げ、分析し、施策へと活かしていかなければならないのかが、わかりにくくなっています。

本記事ではEコマースに焦点を絞り、Eコマースを実践する上で必ず検討しなければならないKPIを説明します。

 

なぜKPIを設定することが重要なのか?

KPIはビジネスの目標を達成するために、必ず確認しておかなければならない指標です。

その理由として、以下の2点を挙げることができます。

  • KPIを設定することで、目標を達成するために取るべき施策が決まる
  • その施策がうまくいっているかどうかを判断することができる

EコマースもECサイトを通じて多くのデータが取得できるようになっています。その中から適切なKPIを設定し、自社の施策に活用することが重要です。

ECサイトでカギとなる6つのKPI

KPIは企業ごとに異なるものです。というのもその企業が目標とするものも、扱う商品によっても、ビジネスの成長段階によっても異なるためです。自社に適合したKPIを選定するためには、以下の4点を押さえておくことが重要です。

  1. 収益に影響を及ぼすものであること
  2. 計測しやすいものであること
  3. リアルタイムであること
  4. 施策改善に役立つものであること

この4点を踏まえた上で、多くのECサイトが共通して設定している代表的な6つのKPIを紹介します。

ディスプレイ広告や動画広告を高品質なWebサイトに掲載することを通じて、ブランドはハロー効果による良い影響を受けることが明らかになったのです。

 

1. コンバージョン率 (CVR)

マーケティングでハロー効果を生み出すには、以下の4点を検討してください。

コンバージョン率とは、Webサイトであらかじめ設定した行動を起こしたユーザーの割合です。購入だけでなく、ニュースレターの登録など、最終的に目標達成につながる行動なら、何でも設定することができます。

コンバージョン率は、以下の数式で求めることができます。

CVR(%)=コンバージョン数÷総数×100

仮にコンバージョンを「商品の販売数」に設定したとします。Webサイトの訪問者が1000人で商品が50個売れた場合は、コンバージョン率は50÷1000×100=5%となります。

2. 顧客生涯価値(LTV)

顧客生涯価値(LTV)は1人の顧客が特定のEコマースストアから購入を始めてから購入を止めるまでにもたらす総利益です。LTVは以下の式で算出することができます。

LTV=(平均注文額)x(顧客が1年に購入する平均回数)x(月または年単位の平均顧客維持時間)

顧客生涯価値は、次で紹介する顧客獲得コストとあわせて理解することが重要です。顧客生涯価値が顧客獲得コストを上回っていれば、ビジネスは順調に成長しているといえます。逆に顧客生涯価値が顧客獲得擦路を下回っている場合は、利益を生み出していないため、早急に何らかの手を打たなくてはなりません。

3. 顧客獲得単価(CAC)

顧客獲得単価とは、顧客1人を獲得するために、どれだけ費用をかけているかを表す数値です。顧客獲得単価は以下の式で求めることができます。

CAC=顧客獲得のために投資した費用÷獲得した顧客数

顧客獲得単価を知ることで、マーケティング予算を適切に割り当てることができます。ビジネスの健全性を保つために、見込み客を顧客に転換する際どれだけの費用がかかっているかを常に把握しておくことが重要です。

4. 平均注文額(AOV)

平均注文額(AOV)とは、1回の注文で顧客がどのくらい購入するかを示す数値です。AOVは以下の数式で求めることができます。

AOV=総収益÷総注文数

平均注文額は、収益に直接関係する指標です。収益を上げたいとき、平均注文額を上げる施策を検討します。また、平均注文額を引き上げることで、利益を維持しながら顧客獲得のための投資を行うことが可能になります。

5.カート離脱(カゴ落ち)率

カート離脱率はユーザーがカートに商品を入れた後、購入する前にECサイトを離脱する割合のことです。カート離脱率は以下の式で求めることができます。

カート離脱率(%)={1 – (完了した取引数)÷(ユーザーが利用したショッピングカート数)} x 100

たとえば250のショッピングカートが使用され、その中で購入を完了させたカートが50だった場合、カート離脱率は{1-(50÷250)} x 100=80%となります。

Eコマースでのカート離脱率は平均して70%にもなるという統計もあります。自社のカート離脱率を正確に把握することで、送料やフォームの見直しなどの対策を立てることが可能になります。

6. 粗利率

あらゆるビジネスにとって最終目標は「利益を上げること」です。粗利率を見ることで、収益性の高さを把握することができます。粗利率は以下の数式で求めることができます、

たとえば自転車の部品を100ドルで購入し、組み立てて250ドルで販売した場合は、(250-100)÷250×100で粗利率は60%ということになります。

Eコマースの平均粗利率は30%という統計があります。粗利率が低くなるとキャッシュフローに問題が生じ、反対に粗利率が高ければ、ビジネスの成長のために投資することが可能になります。

適切なKPIを設定し、計測しよう

Google Analyticsなどの計測ツールを利用すれば、ECサイトのさまざまなデータを得ることができます。しかし、自社サイトから利益を生み出すためには、利益に直接関連するデータを追わなければなりません。収益性を把握するための粗利率や平均注文額、ビジネスの健全性を示す顧客獲得単価と顧客生涯価値、またECサイトや販売上の問題を直接示すカート離脱率などをKPIとして設定し、計測することで、問題点を知ることができます。まずは上記6点のKPIを設定するところから始めましょう。

著者: Ami.T

在米15年。長らくトランスコスモスでのコールセンター事業運用に従事し、コールセンターの立ち上げや顧客管理業務を専門的に担当してきました。現在は営業として、日系企業が米国市場に進出する際のサポートを提供しています。米国市場は複雑で競争が激しいため、市場調査、販売戦略の開発、ローカルパートナーシップの構築など、包括的なサポートを行っています。

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