B2BにEコマースサイトは不要?よくある6つの誤解を解説

B2BにEコマースサイトは不要?よくある6つの誤解を解説

世界的にEコマース市場の拡大が続く昨今でも、「B2BビジネスにECストアは不要」という考え方は根強く残っているようです。しかし、実際にはB2B企業にとってEコマースの導入はとても重要です。

この記事では、B2BのEコマースに関するよくある誤解を解き、ぜひ知っておきたい基礎的な事実を紹介します。

 

B2BのEコマースについてのよくある誤解6つ

「B2BビジネスとEコマースは相性がよくない」という従来のイメージに反して、実は、B2BビジネスのEコマース市場はB2CのEコマース市場の2倍近い規模です。Eコマースでの販売に力を入れなければ、大きなビジネスチャンスを逃すことになります。

それにもかかわらずB2B企業がEコマース参入をためらうのは、以下のような誤解が原因になっている場合が多いようです。

 

誤解1:Eコマースを行なっているB2B企業は少ない

マッキンゼーによる2021年の調査結果では、B2B企業の65%がEコマースを取り入れています。また、B2B企業の32%が、Eコマースがもっとも効果的なセールスチャンネルだと回答しています。対して、対面販売がもっとも効果的との回答は全体の23%でした。

B2Bで商品を販売する企業がすでにEコマースを重視し、ビジネスに取り入れていることがわかります。

 

誤解2:B2Bのバイヤーはオンラインでの高額決済を好まない

「B2Bビジネスではオンライン決済が不人気」という説がありますが、実際には、B2Bバイヤーはオンラインでの購入を好みます。前述のマッキンゼーの調査によると、顧客企業の3分の2は選択肢があればデジタルまたはリモートでのやり取りを選ぶとのことです。事前調査から決済まで、購入の全過程でその傾向があります。

現在のB2Bバイヤーが望んでいるのは、効率のよさ、的確な情報、すばやいコミュニケーションです。特に、ミレニアル世代のバイヤーは、対面でのやり取りを避けたがる傾向があります。

また、B2Bバイヤーのオンライン取引規模に関する意識も以前とは変わりつつあります。マッキンゼーの調査によると、B2Bバイヤーの3分の1以上が、50万ドル以上の決済をオンラインですることにためらいを感じないとのことです。

 

誤解3:B2Bには必要最低限のEコマースサイトで十分

B2BのEコマースサイトは必要最低限の機能を備えていればよく、あまり投資する必要はないと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、調査によれば、大多数のB2B企業がEコマースをフルサービスのチャンネルとみなし、高基準のサイトを維持するために投資しています。

ウェブデザインにも力を入れる必要があります。バイヤーのブランドに対する第一印象はサイトの見た目や使い勝手によって決まる傾向があるからです。

あまりにもシンプルなEコマースサイトや、デザインや購買経験のスムーズさに配慮していないサイトでは、今後の競争で遅れをとる可能性が高いといえます。

 

誤解4:B2Bマーケットプレイスは必須ではない

B2Bのオンラインマーケットプレイスは、購入チャンネルの選択肢の一つとして存在感を増しています。たとえば、B2Bバイヤーの60%はデジタルマーケットプレイスでの購入に抵抗を感じないとの調査結果があります。ブランドの自社ECサイトでの購入に抵抗感がないと答えたバイヤーの割合とほぼ同じです。

実際、20%近くのB2B企業が自社主導またはパートナーシップを通じてすでにマーケットプレイスを構築しています。現在マーケットプレイスを構築中と答えた企業は60%にのぼりました。

 

誤解5:B2Bのカスタマーサービスはオンラインでは不可能

かつては対面でのカスタマーサービスがB2Bビジネスの顧客満足に大きな役割を果たしていました。しかし現在では、対応スピードこそが顧客満足の鍵となっています。B2CではEメールやチャットなどを含むオムニチャンネルのオンラインカスタマーサービスが広く使われています。同様の仕組みが、B2Bビジネスでも役に立ちます。

 

誤解6:B2Bは値付けや商品が複雑で、Eコマースと相性が悪い

B2B企業がEコマースサイトの設置をためらう理由の一つに、値付けや商品、支払い方法の複雑さがあります。取引相手によって条件がさまざまに異なっており、すべてに対応できるサイトを構築するのは難しい、という考え方です。

しかし、現在ではB2B向けの便利なEコマースプラットフォームが増えています。手間ひまをかけなくても、顧客ごとに異なる値付けや支払い方法を表示したり、再注文のための個別ボタンを設置したり、といった柔軟な対応が可能です。顧客が希望する商品カスタマイズについて自動で見積もりを作成することも可能です。

 

まとめ

大手のB2BビジネスがEコマースに注力する中、B2B企業がオンライン販売に力を入れる必然性は高まるばかりです。商品リサーチに始まる購入過程すべてをオンラインで快適に行なえるよう、Eコマースサイトを整備する必要があります。

マーケットプレイスを含む Eコマースサイトは、ブランドや商品を顧客の目に触れさせる機会を増やすための絶好の手段です。ひるまずに取り組めば将来的に大きな実りが期待できます。

弊社では長年にわたりアメリカへ進出した企業様のEC運用をサポートしてきた実績とノウハウがあります。企業様のビジネスに寄り添った提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから。

著者: Hitomi.N

IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。

 

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