EC業界は年々その規模が右肩上がりに伸びていますが、スマートフォン利用者の増加やスマートスピーカーの登場などにより、購入方法やアクセス方法は変わってきています。そこで今回は2020年、2021年のEC市場の最新情報、今後のトレンド予測をご紹介します。
ECの売上高は急上昇を続ける
これまで毎年成長を続けてきたEC市場ですが、その成長は今後も継続していくと予測されています。売上高は2021年に4.5兆ドルに到達するとも予測されており、その後の2022年、2023年も右肩上がりで伸びていくと考えられています。年々、オンラインショッピングに対する消費者の信頼感も増してきている他、オンラインショッピングサイトがよりユーザーフレンドリーになるといった背景も追い風の要因の一つです。
MコマースがEC成長の鍵となる
EC業界の成長を語る上で避けて通れないのが、年々増加するMコマースの利用者数と売り上げです。2021年にはMコマースの売上額は15%伸長すると考えられており、スマートフォンなどのモバイル端末からのEC利用の割合は2016年の52.4%から2021年には72.9%に増えると予想されています。このことから、企業のモバイルプラットフォームへの投資が増えることも同時に予測されています。
スマートスピーカーを使ったボイスコマースが伸長
EC業界の成長を後押しするのはMコマースだけではありません。近年その存在感を増してきているのがAmazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーです。スマートスピーカーを使った買い物はアメリカで市民権を得始めており、2022年には55%の人がその利用者になると考えられています。さらに、2025年にはアメリカの世帯の75%がスマートスピーカーを所有するとの予想もあり、今後ますますスマートスピーカーの動向から目が離せません。
EC業界でもAIによる最適化が進む
AIを使った業務の効率化はEC業界でも行われています。顧客の購入履歴や閲覧履歴からのパーソナライズされた商品紹介、チャットボットなどのAIテクノロジーを使うことでコンバージョン率を上昇させられたり、ページ離脱率を低下させたりできます。実際に、20%のECユーザーがAIチャットボックスから商品を購入するといったデータもある程です。2022年にはそうした効果を狙って、ECをおこなう各企業が合計で73億ドルの資金をAIテクノロジーに投資すると予測されています。
オムニチャネル販売の拡大
約4年前のデータにはなりますが、ハーバードビジネスレビューの調査によれば73%の消費者が複数の購買チャンネルを使うそうです。また、別のデータにはなりますが、例えば次のようなデータもあります。
・オンライン検索の46.7%がEtsyやAmazon、eBayなどのオンラインショップから始まっている
・ECユーザーの37%が商品やブランドの情報収集にSNSを利用している
このEC利用者がオムニチャンネルを利用する傾向は、前述したMコマースやボイスコマースが勢いを増す中でより強くなっていくでしょう。
広がるグリーンコンシューマリズムの動き
グリーンコンシューマリズム(地球環境問題に高い関心を持つグリーンコンシューマーによる政府や企業に環境保全を求める運動などのこと)は急速に広がってきている消費トレンドの一つです。消費者は環境に優しい製品を選ぶようになってきており、調査によれば、65%の消費者が持続可能性を主張する商品を選ぶと言われています。このトレンドは今後も続くと考えられており、すでにその動きに対応してきている企業もあります。例えば、Amazonは2040年までに二酸化炭素排出量を0にすると宣言しています。
まとめ
今後もEC業界はこれまで同様に右肩上がりの成長を続けると予想されています。ただしその中で、Mコマースが主体になったり、スマートスピーカーが台頭してきたりといった各種のトレンドもあります。そのため、ECにおける収益を伸ばすためには、そうしたトレンドを確実に把握し、キャッチアップしていくことが重要になってくるでしょう。
著者: Yukari.T
トランスコスモスではカスタマーサポートマネージャーとして、顧客のニーズにあったサービスのご提案、カスタマーサービスの質の向上に取り組んでいる。