新型コロナウイルスでECはこう変わる!? ECは新型コロナウイルスで躍進する

新型コロナウイルスでECはこう変わる!? ECは新型コロナウイルスで躍進する

新型コロナウイルスは世界中で経済活動を滞らせていますが、ECはその例外といえそうです。アメリカではオンライン販売の成長が続き、ショッピングの利便性を高める企業努力も加速しています。ECを戦略の中心に据えて事業を最適化していくことが、今後はいっそう重要になります。そのためにも、まずはマーケットで何が起きているのか、状況の把握から始めましょう。

コロナ禍で、EC市場に何が起きているのか

新型コロナウイルスによる自宅隔離で影響を受けたアメリカ人は3億6百万人にものぼり、オンラインショッピングの需要は大きく伸びています。たとえば、アメリカ小売業におけるオンライン収益の前年比成長率は、2020年4月中旬の時点で68%。ホリデーシーズンで需要の多い1月初旬の前年比成長率49%よりもさらに大きくなっています。

注文数と収益が3桁単位で増加したため、オンライン小売業のサプライチェーンや受注管理、在庫補充システムなどは厳しい状況に直面しています。対応が大変な一方で、オンラインショッピング体験の質(カスタマーエクスペリエンス)を上げるために企業の多大なエネルギーが注がれているのは喜ばしいことです。

ECの重要性は自宅隔離後も続く

オンライン上での経済活動は、今や各国の新型コロナウイルス対策を支える重要な柱となっています。いずれ自宅隔離が解かれても、この期間に何百万という人がオンラインショッピングという新しい習慣を取り入れたことの影響は続きます。少なくともワクチンが手に入るまでは、多くの顧客がオンラインで買い物を続けることを選ぶでしょう。2020年4月に行われたある調査によれば、顧客の24%が今後6ヶ月以上は実店舗やモールで買い物をしたくないと答えました。

安全で時間の節約にもなるオンラインショッピングは、今までになく顧客の心をつかんでおり、この傾向は長く続きそうです。EC企業にとっては、新たな顧客体験をサイトやモバイル上で提供していく絶好の機会といえます。

成功のカギは、よりスムーズな買い物体験にあり

この波に乗るために重要なのは、消費者に安全と快適さを同時提供する仕組みづくりです。近年、ウェブコンテンツやプロモーションのパーソナライズが進んでいますが、アカウント管理やセキュリティも、顧客ごとにパーソナライズすることが大切です。VIP顧客は新規顧客よりも少ない認証ステップで買い物ができるようにするなど、安全性を確保しつつショッピング中の摩擦を減らす応用的なアプローチが必要なのです。

オンラインショッピングをより安全かつスムーズにするための最新アプローチとして、AIと機械学習を活用した仕組みもあります。「カウント・コントロール」というシステムを使うと、失敗したログイン試行のパターンをリアルタイムでより的確に分析でき、詐欺やアカウントの乗っ取りをすばやく防止できます。さらに、リピーター顧客が以前とは違う場所やデバイスからログインしても、きちんと認識できます。即座にアクセス拒否せずに適切なログイン反応を返すことで、顧客体験を向上させ、より忠実な顧客になってもらうことができるのです。

各国政府のEC促進の動きにも注目

EC市場の拡大や成長のためには各企業の努力が欠かせませんが、新型コロナウイルスの流行が続く中、各国政府の役割も重要です。政府は環境整備を行い、EC促進のために何ができるでしょうか?。ポイントは3点あります。

1.企業や各家庭の、デジタル・エコノミーへのアクセスを容易にする

各国政府は、オンライン・サービスに関する各種の規制を調整したり、緩和したりする必要があります。また、各家庭のインターネット環境を整える手助けも重要です。インターネット・プロバイダがパンデミック中に特別なサービスパッケージを提供するなどの動きを、政府はサポートできます。

2. ECの安全性を確保する

ECやデリバリーを担う企業がウイルスを拡散しないよう、操業上の安全基準が必要です。たとえば、荷物の受取人サインを不要にするなどの措置があります。オンライン上での詐欺について国民に注意喚起し、オンライン空間の安全性を確保するのも政府の役割です。また、政府は銀行などと協力し、より多くの人が安全なコンタクトレス支払いを選択できるようサポートすることができます。

3. ECの操業継続をサポートする

各国政府は、ECやデリバリーサービスの従業員を最前線の作業員として指定し、彼らが必要なヘルスケアに優先的にアクセスできるよう、取り計らうことができます。主要な配送手段である国営の郵便サービスなど、輸送インフラを保全することも重要です。

まとめ

EC需要が急増している現在、企業も政府もこの大きな変化に対応しようとしています。顧客もかつてないほどオンライン・ショッピングを好んでおり、今がECの未来を変えるターニングポイントといえるでしょう。新型コロナウイルスが小売業の状況をどう変えていくか、注視して大きなビジネスチャンスをつかんでください。

著者: Hitomi.N

IT企業で4年間のプログラマーとしての経験を積み、その後6年間プロジェクトマネージャー業務を行ってきました。渡米後はEコマースマネージャーとして、日本企業のアメリカ進出を支援しています。日々アメリカEC関連の情報収集を行い、最新のデータと洞察をもとに、戦略の最適化や新しいアイディアを考案し、クライアント企業に競争力のあるソリューションを提供しています。

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