消費者のライフスタイルの変化とIoT(アイオーティー。モノのインターネットとは、インターネット経由でセンサーと通信機能を持ったモノ達、例えば、ドアが「今、開いているよ」、工場内の機械が「痛いよ。故障しそうだよ」など、様々な情報をインターネットを介して離れた場所で活用すること)の普及によって、アメリカの家電市場は大きく様変わりしています。
ここでは家電市場の概況、家電製品の流通チャネルに占めるECの比率と今後、さらにアメリカでの家電動向などを紹介します。
進歩を続ける家電製品と拡大する家電市場
スマートセンサーとIoT対応のテクノロジーを搭載した家電製品の登場で、家電業界全体が非常に活性化しています。
モバイルアプリを介して遠隔で制御・監視できるシステムは、従来の家電製品のあり方を根本から変えました。 ちなみに、2018年ラスベガスで開催された家庭用電化製品展示会では、冷蔵庫内の食品を内蔵されたカメラが撮影され、食品の保存期間を分析する家庭用冷蔵庫がサムスンから出展され、大きな注目を集めました。
IoT関連以外にも、従来に比べてエネルギー効率が飛躍的に高い製品や、対流加熱とマイクロ波による加熱の両方が可能な混合オーブンのような、複数の機能を備えた製品、また、調理にかかる時間を短縮する製品など、新製品の開発が長く、市場全体が拡大を続けています。
流通チャネル
アメリカの家電市場は、小売店、大型スーパーマーケット、ディスカウントストア、デパートなどの実店舗(Brick & Mortar)とEコマースに分かれています。現状では実店舗が大きなシェアを確保していますが、Eコマースは2025年年までの間、年間平均成長率9%という高い数値で拡大していくと予測されています。
これからの家電トレンド
大手家電メーカーのワールプール、GE、エレクラックトロス、LG電子に今後の家電トレンドを聞き、その中からトップ3をまとめました。
#1.あらゆるものがネットワークに接続された「コネクテッド・ホーム」
ワールプールが2016年に実施した調査では、住宅所有者の69%が「スマートホーム」に親近感を覚えており、住宅所有者のほぼ半数に当たる45%が、実際にスマートホームに住んでいますさらに住宅全員の3分の2、思いついた瞬間の86%が、次に家電を購入計画するのはスマート家電を行っていると答えました。
この調査結果が損害するのは、私たちの環境に合わせて生活するのではなく、環境を私たちの生活に合わせていく、というライフスタイルが、受け入れしつつあるということです。
あらゆるものがコンピューターと接続しているコネクテッド・ホームは、無機質なハイテク空間というイメージがありますが、これからの家電製品は、従来のイメージから離れ、日常生活の中でファッションや他の家庭用品と継ぎ目なく統合される、もっと暖かな色やつや消し仕上げ、柔らかな表面、繊維素材を使ったものになっていくと考えられています。
#2.ニーズを予測することで「使い心地の良さ」を強めるコネクテッド家電
ワールプール社のグローバルデザインマネージャーであるジェイソン・ティペッツは、コネクテッド・テクノロジーが販売しているものは、省エネ・節水ついでに、ライフスタイルに合わせて簡単に操作できる家電製品を使うことによってもたらされる、私たちの生活ではもはや当たり前となっているテクノロジーを誇示するよりも、コンピューターと接続されていることを体験してもらうことが重要だと思います。
また、スマート家電は、繰り返し使うことで、より「スマート」になるものです。 なぜ、特定のニーズを予測するために、使用者の習慣やデータを記憶するからです。生活を送っている消費者へ向けて、個人のライフスタイルそれぞれに適合した機能を提供することを、その使命だと考えています。
#3.スマートモニター
消費者がコネクテッド家電に求めるのは、便利さと安心感、最適なパフォーマンスです。 同様にGoogle Nestを使うと、離れていたところにも家族が家電に電源を入れたり、アプリが通知されたり、家を離れているときに家電が誤作動したら、それが通知されるので、安心できます。最適なパフォーマンスを維持するために、アプリは自動アップデートし、高度な診断機能を備えたメンテナンスアラートを送信することもできます。
子供たちが冷蔵庫のドアを開けたままだっているのではないか、洗濯物が乾いたかどうかとかチェックしていた日々は過去のものとなっています。 。
その他のトレンド
その他にも、住宅用空調市場が今後も進化し続け、Amazon EchoやGoogle Homeなどの音声アシスタントデバイスと連動していく傾向や、キッチンのトレンドがブラックステンレスをつや消し仕上げした、マットブラックが人気を一応だろう、という予測がなされています。
著者:Ami.T
長らくトランスコスモスでの懸案事業運営に取り組み、懸案の立ち上げや顧客管理業務を専門的に担当してきました。現在は営業として、日系企業が米国市場に進出する国際サポートを行っています米国市場は複雑で競争が激しいため、市場調査、販売戦略の開発、ローカルパートナーシップの構築など、あらゆるサポートを行っています。