消費者行動の変化
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ソーシャルディスタンスの重要性が叫ばれるようになったことで、消費者は可能な限り接触機会の少ない決済方法を求めるようになりました。昔から利用されている銀行口座振り込みやQRコード決済に加え、モバイル決済( apple pay、google payなど)のようなデジタル決済サービスの需要が急速に伸びています。このような決済方法が主流となった場合、「後払い決済」といった消費行動も併せて普及していくのではないかと考えられています。
家計の不安定性
新型コロナウイルスの影響で失業率が高まったことで、収入の減少や家計の不安定さを懸念する家庭は増加しており、消費者は節約生活を余儀なくされています。この傾向は前述した「後払い決済」といった仕組みの需要を急上昇させました。実際に、ある研究によると、消費者のうち41%は非常事態に対応できるような家計を保つために、また消費者のうち25%は収入減少分を賄うために「後払い決済」を利用していることが明らかになっています。この傾向はアメリカのみならず、アジアやラテンアメリカにおいても見られており、現地のIT企業やMercado Libre、Amazonといった大手EC企業が「後払い決済」のシステム整備を進めていることも「後払い決済」の増加に大きく影響していると考えられます。
「後払い決済」とは
では、多くの消費者の注目を集めている「後払い決済」とはいったいどのような仕組みなのかを見ていきましょう。「後払い決済」とは、商品購入とその代金の口座引き落としのタイミングが異なるという点においてクレジットカード払いと同じですが、金利分を消費者が負担しなければならないという点においてクレジットカード払いとは異なります。消費者は金利分を上乗せして支払うと約束することで、すぐには支払うことができないような高額な商品であってもその場で購入することができるようになります。また、商品の代金を少額に分割して払うこともできるため、消費者の都合に合わせて柔軟に買い物を楽しむことができるという点で「後払い決済」は重宝されています。
「後払い決済」の今後
新型コロナウイルスの感染拡大によって注目を集めることとなった「後払い決済」は、今後もその人気を維持し続けるのでしょうか。この点を考えるうえでは、「後払い決済」が今後を担う若者世代(18~24歳)にどの程度受け入れられるかがカギとなります。The Ascentが行った過去1年間で「後払い決済」や「短期ローン」を利用した消費者の割合に関する調査によると、65歳以上の消費者ではその割合が12%に留まったのに対し、18~24歳の消費者では52%となっており、大きく差が開いています。今はまだクレジットカードを生活の中心に据えていない18~24歳の消費者の間で、「後払い決済」がさらに流行すれば、今後は「クレジットカード払い」ではなく「後払い決済」が主要な決済方法へとシフトしていくでしょう。
まとめ
今回は新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに注目を集めている「後払い決済」について紹介しました。競合に後れを取らぬよう、早めに「後払い決済」の準備を進めてみてはいかがでしょうか。
著者: Giana.Z
マーケティング、コンテンツ管理、デジタルマーケティング、プロジェクト管理で12年以上の経験を積む。
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