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TACoSを用いたAmazonスポンサープロダクト広告の成果分析について解説

8月 18日, 2020
By : Yukari.T

Amazonスポンサープロダクト広告の利用においては、その広告の効果の測定が重要となってきます。広告効果測定の指標にはTACoSとACoSがありますが、この記事ではTACoSを用いたAmazonスポンサー広告の成果分析について紹介していきます。

TACoSとはACoSとの違い

TACoSとは何か、ACoSとの違う点は何かということを説明する為に、まずはACoSについてその内容を紹介します。ACoSは 「Advertising Cost of Sale:広告費売上比率」の略語で、Amazonスポンサード広告のROIを計測する際に用いられる成果分析指標です。その計算式は、次式となります。

ACoS=広告支出額÷広告売上額×100

例えば、広告支出額が1,000ドル、その広告売上額が1,000ドルだった場合には、ACoSの値は100%といった具合で、この値が小さいほど広告の運用成績が良いということになります。

そのACoSに対して、TACoSとは「Total Advertising Cost of Sale:総広告費売上比率」の略語です。Amazonスポンサード広告では、売れている商品の広告がAmazon内の検索順位で有利となる(表示頻度が多くなる)と言われており、TACoSでは広告を掲載したことによる、商品のオーガニック検索順位上昇によるオーガニック売上額の増加も加味してその値が求められます。また、TACoSの計算式は下記で表されます。

TACoS=広告支出額÷(広告売上額+オーガニック売上額)×100

例えば、広告支出額が1,000ドル、その広告売上額が1,000ドル、広告掲載によるオーガニック検索順位上昇によるオーガニック売上額の増加が3,000ドルあった場合には、TACoSは25%です。

TACoSの数値が示す広告成果

TACoSの数値を分析することでどのようなことが分かるのか、3つのパターンについて解説していきます。

・TACoSの数値が減少した場合

TACoSの数値が減少するということは、広告支出額に対して総売上額が伸びていることが示されるので、広告運用成績が上昇していると言えます。また、ACoSの数値に大きく変動がなくTACoSの数値が減少している場合には、製品がよく売れており、ブランド認知も上手くいっていると言えるでしょう。

・TACoSの数値が高いまたは増加している場合

TACoSの数値が高いまたは増加しているという場合には、いくつかのケースが考えられます。例えば、新製品を導入したタイミングでTACoSの数値が高いという場合には、その製品やブランドの認知がその段階では不十分な可能性があります。そのため、製品やブランドの認知を高められれば、オーガニック売上額が上昇し、徐々にTACoSの数値も減少させられるでしょう。また、すでに十分認知度のある製品の広告を出して、そのTACoSの値が高い場合には、かけている広告費に対して十分な広告売上額が得られていないと言えます。

・TACoSの数値が増加し、ACoSの数値が減少した場合

ACoSの数値が減少していてもTACoSの数値が増加しているという場合には、理想的な状態とは言えません。収益が広告に依存している状態であるため、広告やAmazonの製品紹介ページを最新の状態にしたり、最適化したりメンテナンスする必要があるでしょう。

Amazonスポンサープロダクト広告とTACoSの一例

Amazonスポンサープロダクト広告とTACoSに関する具体例について画像を交えながら紹介していきます。例えば、「cauliflower pizza crust」というキーワードをAmazon内で検索したとしましょう。

すると予想通りにcauliflower pizza crustに関する製品が数多く表示されています。しかしながら、一つだけ他の商品と毛色の違う商品も検索結果に表示されており、それが「Keto Pancake & Waffle Mix」です。

なぜ「cauliflower pizza crust」というキーワードのオーガニック検索でこの「Keto Pancake & Waffle Mix」が表示されているのか。それは「Keto Pancake & Waffle Mix」の販売者が「cauliflower pizza crust」というキーワードに対して広告出しているからです。

一見すると関係の無さそうな両商品ですが、実はいずれもグルテンフリーの食事を好む人や、ケトジェニックダイエットをする人に好まれる商品となっています。そのため、「cauliflower pizza crust」を検索した人が「Keto Pancake & Waffle Mix」を購入する可能性もあると考え、販売者は広告を出したのです。

この場合、確かにACoSが高くなる可能性もありますが、「Keto Pancake & Waffle Mix」が広告経由で売れることで、オーガニック検索順位の上昇やオーガニック売上高を高められます。

下記のような数値例でも考えてみましょう。

仮に「Keto Pancake & Waffle Mix」の広告費に1,000ドルをかけ、広告売上額が1,000ドルだった場合にはACoSが100%となりますが、これはあまり利益性や持続性のない結果と言えるかもしれません。ですが、この広告が「Keto Pancake & Waffle Mix」のオーガニック検索順位を押し上げ、オーガニック売上高を3,000ドル売り上げたとしたらどうでしょうか。TACoSの値は25%となる訳ですが、きっとAmazonスポンサー広告を利用される方はこの数字が嫌いじゃないはずです。

まとめ

Amazonスポンサープロダクト広告を利用する際にはACoSの数値だけでなくTACoSの数値を観察、成果分析し、広告戦略を改善していくことが重要です。目先のACoSの数値だけでなく、TACoSの数値を減少させられるような取り組みを目指していきましょう。

出所:Why TACoS is an Essential Metric for your Amazon Toolbox


著者:  Yukari.T

トランスコスモスではカスタマーサポートマネージャーとして、顧客のニーズにあったサービスのご提案、カスタマーサービスの質の向上に取り組んでいる。