single-post-thumbnail.jpeg

日本企業のアメリカEC運用を支える -プロジェクトマネージャーインタビュー

5月 20日, 2019
By : Natsuki.S

現地担当者インタビュー第3弾は、「プロジェクトマネージャー」編です。トランスコスモスアメリカにご発注いただいた後は、主にこのプロジェクトマネージャーと一緒にECの立ち上げ・運用を進めていきます。トランスコスモスアメリカのプロジェクトマネージャーは日米両方の企業と仕事をするため、バイリンガルなのはもちろん、日米両方の文化に精通しています。今回のインタビューでは、アメリカでの日系企業のビジネスをサポートした経験や、日米での働き方の違いについて語っていただきました。特に働き方の違いは、実際に経験しないとわかりません。でも、アメリカでビジネスをするには理解すべきことですので、ぜひご一読ください。

‐お仕事内容を教えてください

プロジェクトマネージャー(以下PM):EC事業の立ち上げ・運用をサポートするプロジェクトマネージャーをしています。お客様と現地パートナーと密に連携し、EC事業に必要なプロセス、スキーム、タスクを明確化し、ゴールに向けてプロジェクトの推進をサポートさせて頂きます。

‐日本でECマネージャーとして働くのと、アメリカでECマネージャーとして働くのではどのような違いがありますか?

PM:まず、知っていたつもりでしたが、アメリカに住む人と文化の多様性は、仕事を通して、より大きな違いである事を実感しますね。対象となる顧客も共に協力するエージェントも日本で培ってきた物差しでは計れません。特に私たちが日本で普通に求められる対応の丁寧さ、スケジュールの正確さは他の文化の中では特質的なようです。また、アメリカと日本では単純に物価/人件費/労働基準に違いがあります。日本のクライアントの方は普段気にしないことだと思いますので、その点を関係者が皆で理解し合う事が大切だと感じています。
あとは、日本と比べるとアメリカのマーケットの変化は驚くほど速いです。日々新しい販売チャンネルがリリースされ、それに合わせて新しいプロモーションのチャンネルや手法が続々と開発されています。日々勉強していないとすぐに遅れをとってしまい、話し合いに参加できないので大変ではありますが、各企業やブランドに合わせて、ビジネスをコーディネートするのはとてもやりがいを感じます。

日本は「クライアント」に対して、丁寧で正確な仕事が常識ですが、米系のクライアントでは、パートナーまたは戦友のような対等な立場で仕事をするので、言葉は悪いですが、気軽に対応することができるようです。そもそも「クライアント」との関係が違うのですね。

‐上記の「違い」によって大変だった or 良かったことは何ですか?

PM:良かったことは、アメリカでは日本よりもQOL〈Quality of Ⅼife〉やプライベートを尊重する空気があるので、疲れ切って帰っていく人を見かける事があまりない様に思います。ただ、この空気のせいだとは言いませんが、スケジュール管理の考え方の違いをアメリカ現地のスタッフと理解しあうのには苦戦しました。

日米企業のスタイルは180度違うので、立場や考え方を共有するのは難しいかもしれませんね。私も、アメリカは「仕事の範囲」が明確で、範囲外の仕事はしないし、あまり残業もしないような印象があります。

‐TCAでECマネージャーとして働くにあたって大事なことはなんですか?また、仕事をするうえで気を付けていることはありますか?

PM:アメリカの顧客を捉える為にも現地の仲間とスムーズにプロジェクトを進める為にも、文化、習慣、流行など、いろいろな角度から現地を知る努力を続けていきたいと考えています。また、他ECマネージャーをはじめ、セールス、カスタマーサポート、テクニカルチーム等、他部署とのコミュニケーションが重要となるため、連携強化を行っていくことを心がけています。

-クライアントはほぼ日系企業だと思いますが、クライアントからの要望で共通していることはありますか?または、要望として多いものはありますか?

PM:お客様の立場に一緒にたって、戦略立案を行い、売り上げ拡大を目指していきたいという要望が多いように見受けられます。

アメリカの市場や顧客を理解しないと、戦略立案も売上拡大も難しいですよね。その時に、トランスコスモスアメリカのプロジェクトマネージャーの知識や経験が頼りになります!

-日本とアメリカでは常識や働き方が違いますが、この違いによって、クライアント対応している中で困ったことはありますか?

PM:日本では契約内容外の事であっても、対応する事が良くあると思いますが、アメリカでは契約外の内容を無償で対応する事は基本的にはなく、契約前にデザインや計画書(P/L)を提供(協力)する事もほぼないかと思います。日本では当たり前に対応してもらえる事なので、日本の企業にとっては理解しがたいかと思いますが、ご要望に応えられない場合もある事を理解して頂けたら幸いです。

アメリカでは“契約”が絶対ですからね。あと、もう1つ理解いただきたいところは、残念ながらアメリカはマーケットの変化は早いですが、それほど仕事のプロセスは早くないです。そのため、トランスコスモスアメリカではパートナー社とホットラインを作って速やかに動くなど対策を講じています。

-クライアントに喜ばれた対応やサービスはどのようなものですか?

PM:理解の難しい内容や管理画面の使い方は、メールやお電話で何度でも詳細に説明させていただいた事で感謝していただけました。広告が休日にストップしてしまった際もすぐに対応した事でとても感謝していただけました。あとは、やはり情報が大事で、クライアントが思いもしてないアメリカ現地ならではの提案をしたり、現地ネットワークを紹介するなどして、そこからチャンスが生まれた時に喜んでいただけました。

クライアントの立場を配慮した気配りのある対応や、先を見越したシステムの提案など、お客様のECビジネスに貢献できる、または手助けになる迅速な対応が喜ばれるようですね。

いかがでしたでしょうか?このように、日本とアメリカでは働き方が違うため上手く調整しないとプロジェクトが進みません。自社でできるのが一番ですが、なかなか現地(アメリカ)で対応するのが難しい企業様もいらっしゃると思います。トランスコスモスアメリカはアメリカ進出をサポートするプロがたくさん在籍していますので、安心してお任せください。


著者:Natsuki.S

アプリの企画開発・運用を行う際にGoogle Analyticsを使った分析を始め、その後、トランスコスモスで分析専門チームに所属し、本格的にWebサイトの分析に従事。
主にGoogle Analyticsの計測設計・設定・レポーティングを担当。