2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業が対面販売からオンライン販売へシフトしました。この傾向は今年も継続すると予測されており、2021年はEC業界にとって、成長するための重要な1年になるでしょう。今回はそんな2021年の注目のECトレンドを10個紹介していきます！

1．企業独自のECサイトよりもAmazonなどのマーケットプレイスでの買い物が好まれる

消費者がオンラインショッピングに求めているものは「便利さ」であり、単に買い物ができるECサイトを準備するだけでは不十分です。場合によっては、長期にわたるオンライン販売経験とそれに伴うオンライン販売インフラを持つAmazonなどのマーケットプレイスを活用することも視野に入れ、消費者にとっての「便利さ」を追求しましょう。

2．B2B企業がD2C、D2B企業へと進化する

オンライン販売が広く普及したことによって、日用品だけでなく様々な商品がオンライン上で取引されるようになってきています。それに伴って、製造業者が自社製品を直接消費者に販売するようになると予測されています。

3．ECプラットフォームの人気が上昇する

これまで一般的に、予算などの都合上、オンライン販売は大企業を中心に導入されてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、中小企業もオンライン販売を行う必要が生じたため、低予算からオンライン販売を始めることができるECプラットフォームが人気を集めています。

4．SNSへのビデオ広告の出稿がメジャーになる

広告形態には様々なものがありますが、Instagramのストーリーに広告を載せる企業が増えてきたように、SNSでのビデオ広告が今後は特に注目を集めると考えられています。大手ECプラットフォームのShopify とTikTokが提携したことから、この傾向は2021年により一層強まっていくのではないでしょうか。

5．オムニチャネル戦略が基本となる

一言にオンラインショッピングと言っても、消費者によって商品購入に至る経緯は様々であり、多様なチャネル間の連携を強化することが販売促進に欠かせないものとなります。Amazon Pinpoint、Amazon Personalizeといったオムニチャネル戦略を支えるサービスも提供されているので、必要に応じて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

6．情報分析の重要性が増す

オンライン販売が広く普及したことで、利用者の属性や商品購入までのアプローチは多様化しました。それに伴って、マーケティングにおいて情報分析の重要性が増すと予測されています。消費者の属性や販売チャネルなどを分析することで、より効率的なマーケティングを実現することが今後の事業拡大に欠かせない要素となるでしょう。

7．インフルエンサーがブランドパートナーとして活躍する

SNSの発展によって、様々なコンテンツを個人で発信できる時代になりました。それに伴って、インフルエンサーを活用したマーケティングが注目を集めており、その規模は2020年に97億ドルに達しました。今後もこの勢いは継続すると予測されています。

8．AIを活用したマーケティングがより身近なものとなり、利益を生むようになる

近年、チャットボットのようなAIツールを導入する企業が増加してきました。今後も技術の進化によって、AIツール導入の流れは加速すると考えられています。チャットボットのほか音声認識検索、自動在庫管理システムなど様々なツールが私たちのビジネスを進化させるでしょう。

9．個人向けサービスは販売を促進するだけでなく、ブランドロイヤリティを高める

消費者の直近の購入履歴や購入した商品のタイプなどから、次に購入しそうな商品をお勧めするサービスなど、各個人に向けたサービスを提供することは、競合との差別化を図る意味でも消費者との心理的な距離を近づける意味でも非常に効果的な戦略であると言えます。

10．環境へ配慮した企業活動の重要性が増す

多くの環境問題が生じている近年、消費者は企業に対して、良い商品の提供だけでなく、環境に配慮した活動を求めるようになってきています。Harvard Business Reviewによると、消費者のうち65％は商品購入の際に、販売元の企業が環境に配慮した活動を行っているかどうかに注目することが分かっています。

まとめ

今回は2021年のECトレンドを10選を紹介しました。2021年は昨年に引き続きEC業界が注目を集める1年となると予測されていますので、このチャンスを活かして本記事を参考に皆さんのビジネスの勢いを加速していただければ幸いです。

出所：The Future of eCommerce: eCommerce Trends To Watch For In 2021
10 Trends Shaping the Future of Ecommerce

著者: Shunji.O

デジタルマーケティングマネージャーとして5年経験を積み、渡米後は10年間Eコマース事業に携わってきました。現在、トランスコスモスアメリカでプロジェクトマネージャーとしてアメリカ市場におけるEコマース戦略の立案と実行に注力しています。市場動向の分析、競合分析、販売戦略の開発に加え、デジタルマーケティングマネージャーとしての経験を活かしてオンライン広告キャンペーンの最適化など、幅広いマーケティング活動を通じて事業成長を促進しています。