Alibabaから学ぶアメリカ食品小売業の未来とEC

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Alibabaから学ぶアメリカ食品小売業の未来とEC

ネット通販最大手のAmazon(アマゾン)が、車の自動運転技術を駆使し、商品を棚から取り出し店を出るとその買い物客と商品を機械が検知し請求をおこす“ジャスト・ウォークアウト”システムの調整を経て、Amazon Go(アマゾン・ゴー)というレジのないコンビニのコンセプトを一般公開した。しかし、Amazonより先に、既にこのようなコンセプトを実行している企業があるのをご存知だろうか。

 

それが、中国に拠点を置く小売業・技術会社Alibaba Group Holding Ltd.(アリババ)だ。中でも、生鮮食品専門スーパーマーケットHema(ヘマ)は注目に値する。

‎Alibabaのニュースサイトによれば、Hemaは、買い物客により効率的で柔軟なショッピングを提供するための“オンラインとオフラインの融合”が最も反映されていると言われているのだ。

‎そこで、どのような融合がなされているのかを順番に見ていきたいと思う。‎

 

モバイルを買い物の主要ツールへ

プログレッシブ・グローサー誌によると、Hemaでは、技術とデータを駆使してすべての過程をモバイル経由でこなしている。専用のアプリをダウンロードすれば、バーコードをスキャンすることで商品情報を見たり、支払いをしたりできる。また、ダイニングエリアでは、買い物客が自分の買ったものを調理したり食べたりできるようになっている。

 

一方、オンラインショッピングを好む人には、店舗はフルフィルメント・センターとして機能し、各店舗は半径1.5マイル以内で、1日に何千もの注文をそれぞれ30分以内で手配する。顧客がアプリから注文すると、スキャナーや個別のバーコードのついたバッグを使って従業員が商品を集め、顧客の家に配送するという仕組みだ。 Hemaの店舗収入のおよそ50%は、これらのアプリ注文によるものである。

 

「米国の食料品店は、一連のアプリを持っているだけでなく、モバイルが買い物の主要ツールとなるよう、もっと多くのことをする必要があります。」と、イリノイ州、バーリントンで小売業コンサルティングをおこなっているBrick Meets Click(ブリック・ミーツ・クリック)のチーフアーキテクト、Bill Bishop(ビル・ビショップ)氏は言う。‎

 

パートナーを持つことが成功への近道

ビル・ビショップ氏はまた、「米国の食料雑貨品小売業者は、大規模なデジタルフォーマット企業と提携し、音声注文やオンライン注文などの分野で共同運営の機会を見つける必要もあります。」とも述べている。

人々がショッピングの習慣を変えれば、食料品店もそれに合わせて変わらなければならない。しかし、小売業社が自分たちだけで新しい統合POSシステムを導入したりモバイルショッピングのアプリを開発して実際に起動したりすることは容易ではない。また、デジタルフォーマット企業は、システムを開発しても、実際に適応できるかは店舗がなければ確認できない。パートナーと協力し、開発とテストとデータ収集の同時進行をすることが有益なのだろう。

 

店舗販売のデジタル化におけるロケーションの重要性とは

米国人口の90%がウォルマートの店舗から10マイル以内に住んでいると言われているため、買い物客の多くにとって、商品をウェブ注文しておいて、後でドライブスルーのように受け取る“ピックアップ”は好まれるだろう。Hemaでも同様に、店舗は顧客の利便性を重視して、半径1.5マイル圏内に住む人々のために設計されている。

 

同誌の中で、L2のGehani(ゲハニ)氏は、「Alibabaは上海と北京の非常に人口密度の高い地域にHemaを建設してきました。 一般的に食料品店が考えなければならないことは、都市部のフォーマットと、農村部のそれとではどう違うかということです。」と述べている。

 

ピックアップにしてもデリバリーにしても、人員コストがかかるし、交通の問題もあるだろう。スムーズに商品が手に入らなければ、顧客は離れていってしまう。地域によってどの形態がもっとも利便性が高いかを見極める必要がある。

 

まとめ

ボストンの小売情報プラットフォーム、サードチャネルの最高経営責任者、Gina Ashe(ジーナ・アッシュ)氏も指摘しているように、HemaはAlibabaの大規模な小売挑戦の1つであるが、その慎重な提供と展開は、食品小売業者が革新的なアイデアを小規模なものから地道に開発できることを証明している。つまり、食料雑貨品店が新しい概念やフォーマットを急ぎすぎずやりすぎず、段階的に試す時の模範となるだろう。

 

そして店舗販売のデジタル化を世間に浸透させるためにeコマースのあり方を考えることが今一番重要なのではないか。

 

参考:progressivegrocer.com


著者: Ami.T

日本の大学を卒業後に渡米し、幅広くデジタルマーケティングの経験を積む。現在はトランスコスモスアメリカでEコマース事業に従事し、いつもアメリカの最新Eコマース事情やデジタルマーケティング手法、市場動向にアンテナを張り、新しい施策を積極的に試みています。


 

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