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世界最大のEコマースイベント「IRCE-2018」

7月 8日, 2018
By : jpdm

こんにちは!トランス特派員カオです。2018年6月5日から8日までシカゴで開催されたIRCEの展示会に行ってきました。

流通業や小売業界のウェブ担当者にとって一大イベントのEコマースイベントIRCE (Internet Retailer Conference&Exhibition) 開催 第14回となる今年は、600社以上の企業の出展があり、幅広い領域から最新技術がたくさん紹介されてました。ネット担当者にとって、今後のビジネス展開に必要なビジネスソリューションについての見どころが多数ありました。 そこで今回は、最新トレンドをチェックするべく、要注目の「ECとデジタルマーケティング」を中心に、イベントレポートをお伝えしたいと思います。

Shopify(ショピファイ) 対 Magento(マジェント)

まずは会場の右側にあるEC プラットフォームエリアについてご紹介します。海外ではECプラットフォームの二強と言われているMagentoエリアとShopifyエリアに分かれており、各エリアの中心に、この2社のプラットフォームのブースがありました。そして、その周りには関連しているツールや、アプリの代理店が並んでいました。各ブースにはたくさんの人が集まっていて、プラットフォームのデモンストレーションを見たり、初日の午後からオフィシャルパートナー向けに開催されているパーティーに参加しているのが目立ちました。また担当者とアドオンの開発者、代理店が意見交換する場もありました。

よく比較される両プラットフォームは、解決できるビジネスニーズやカスタマイズ性、拡張性、運用費用など、それぞれ大きく異なりますので、そのメリット・デメリットについては別記事で詳しく説明します。

Magento

Shopify

transcosmos America

Shopifyのオフィシャルパートナーである弊社のブースも、Shopify エリアに出店しました。

注目する最新ツール

ロイヤティープログラムツール

ロイヤリティーポイント、カスタマー紹介リワード、VIPクラブなどでロイヤル客にリピート購入を促すのに役立つツールです。Shopifyと同様にカナダ発のスタートアップであるSmile.ioは、既に2万以上のECショップに活用されているロイヤルティープログラムツールで、利用者の大半がリピート購入数の向上、売上拡大の効果を得られています。

Smile.io

サイトパフォーマンス オプティマイズツール

導入が簡単で、しかも使い方が多様なサイト内のポップアップツールで、プロモーションや流入ソースに合わせて、サイト内で見せるメッセージを簡単に分けられる便利なツールです。2018年に入ってから、このツールを導入しているブランドECサイトを見かけるようになりました!ECサイトのKPIとされる①メールサインアップ率の向上②カート離脱の減少③売り上げ拡大の改善につながるアドオンになります。

Justuno

Privy

運用型広告

Snapchat(スナップチャット)広告

若い年齢層に圧倒的な人気のSNSプラットフォームを持つSnapchatが、広告主向けの運用型広告サービスを始めました。今回、実際に広告運用をする時の管理画面を開示してもらいました。他社の管理画面と異なりSnapchatらしい、きいろ色でした!昨年度から行われているテスト運用によると、特にコスメ系に強いそうです!今年から一般公開されるので、これから若い年齢層をターゲットとしている企業の利用がどんどん増えるでしょう!

イベントレポートまとめ

アマゾンが年々伸びている中、マーケットプレースへの出店・活用方法については、中小規模でECサイトを運用している担当者を悩ませているのではないでしょうか。自社ECサイトを活性化をするために、簡単・スピーディーにサイトを立ち上げられ、売り上げを改善するためのツールが備わったShopifyとMagentoのエコシステムがこれからのEコーマスを加速する起爆剤になると考えます。

今回の編集後記

アマゾンのEコマースが年々売り上げを伸ばしている中で、今回のIRCEもアマゾンが話題の中心となり、スモールビジネスをはじめ、すべての企業がアマゾンのような巨大なマーケットプレースをEC戦略に取り込むことを必須としています。確かに、アマゾンでどのような戦略、ツールを導入したら成功することを考えるのも大事だと思いますが、今回のキーノートを務めた作家/起業家/マーケターのSeth Golden(セス・ゴールデン)氏が、すべての企業、担当者に「原点戻り」を呼びかけたことは興味深かったです。

アマゾンをはじめ、アメリカEコマース売り上げが、全体の半分以上を占める状況の中で、利用者が集まるチャネルに出店することは決して悪いことではないが、「規模の経済性」が働くアマゾンで価格競争の罠に落ちることに注意しろとアラームを鳴らしました。一度、自社の商品、サービスは「誰に」、そしてその消費者・生活者にどんな「価値を」提供するのか、ビジネスの本質を考えましょうと語っていました。

価格ではなく、必要とされた人に価値を提供する

Seth Golden氏はスモールビジネスに必要とされるのは一般消費者を狙うことなく、自分たちのターゲット層を見極め、既にブランドのファンである人、潜在客になりうる人に焦点を当て、良い繋がりを作り、ブランドコミュニティーを育てることが重要であると言っていました。縦軸のブランドとファンと、ファンとファンの横つながりでそのコミュニティーが自社のビジネスの成長に加速するとも力説していました。


著者: Clint K.

Digital Marketing Project Manager

Google, Facebookをはじめ、デジタルマーケティングサービスを日系企業を対象に提供し米国市場へのプロモーションを支援。