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米国Eコマースでのチャットボット活用例

米国Eコマースでのチャットボット活用はもはや常識となっていて、名前が知られているような企業は皆、チャットボットを運用しています。今回は米国のチャットボット事情に興味がある方向けに、誰もが知っている米国企業がどのようにチャットボットを利用しているのか、その活用例を挙げてみたいと思います。

ドミノ・ピザ – 世界の60カ国で10,000店舗以上を展開しているアメリカの宅配ピザチェーン店最大手


ドミノ・ピザボットは2015年の春にTwitter経由の注文受付をスタートした事を皮切りに、その後Apple TVやGoogle Home、Amazon Echo、SMS、サムスンのスマートテレビ、スマートウォッチなど様々な新興プラットフォームに対応しています。チャットボットでフルメニューを見ながらどこからでも気軽に注文できるサービスは米国人の国民食としてのブランドを確立するのに一役買っています。

Burberry – 150年以上の歴史のあるイギリスを代表する世界的ファッションブランド


Burberryボットは、クラシックな英国ガーデンをモチーフとした迷路「Burberry Maza」を特徴としています。右左の絵文字をクリックし、チャット画面上の迷路を進んでいくと、今シーズンのコレクションのキーピースを見つけることができます。迷路をコンプリートするとまるで自分がフォトシューティングをしているようなBurberryのショースペースに辿り着きます。ボット内で紹介するアイテムをあえて減らし、カスタマーのエンゲージメントを高めることを目指しています。

TripAdvisor -ホテル等の旅行に関する評価・価格比較を中心とし、世界最大の閲覧数を持つ旅行口コミサイト

TripAdvisorボットは5億件を超える口コミ情報から世界中のレストラン、観光名所、ホテルなど、利用者に合わせたオススメ情報を提供しています。例えばレストランを探している利用者には、位置情報や開店時間だけでなく、利用者のオススメメニューや料理の写真と値段までチャットボットが教えてくれます。高性能な自然言語処理を取り入れており、会話の中でチャットボットが利用者の入力した言葉の意味を理解し、有益な情報を提供してくれます。

SEPHORA –世界最大のファッション企業LVMH傘下で、北米400店舗以上を運営する化粧品専門店


SEPHORAボットは携帯電話に対応した無料のインスタントメッセンジャーKik Messengerで利用でき、まるで店舗の従業員と話しているような感覚で利用者に合った商品を勧めてくれます。SEPHORAの実店舗は顧客が幅広い商品をブランドの垣根を超え自由に手にして試す事ができるのが特徴ですが、チャットボットでもそれぞれの商品の紹介動画をボット内で再生できるよう工夫がされており、実際に店舗に行くのと近い感覚で利用者が商品を購入することができます。

活用例の共通点

 

上記の事例では、各企業がその特徴から外れないチャットボット作りを目指している事が見て分かります。大衆的飲食店は多くの利用者を集めるべく、あらゆるデバイスで注文できるよう努力がなされていたり、品揃えや情報量を生業としている企業はチャットボットでも多くの情報をより見やすい形で閲覧できるような構築を目指しています。高級ブランドであれば、紹介する商品を減らしてでも、限られたコンテンツの中で嗜好を凝らしブランド力を向上させる努力を惜しみません。あなたの会社はどうでしょうか?チャットボットへの投資を最大限活用するために、商品のブランディングや企業のビジョンにあった構築をお勧めします。


著者: Kazuya.S

カスタマーサポート環境 提案・構築

在米14年。トランスコスモスではIT部に所属し、社内外のカスタマーサポート環境を支援。現在は主に日系企業を対象に、チャットボットの提案や構築を行っている。