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アメリカ ECカスタマーサポート担当者に聞いた!アメリカで喜ばれるカスタマーサポートとは?

カスタマーサポートは、EC事業の中でも特に現地の理解が必要な仕事です。そして、カスタマーサポートの良し悪しは企業イメージに直結します。どんな人材が必要なのか、どんなことに気を付けてマニュアルを作成すべきかなど、これからアメリカでEC事業を始める企業様にとってわからないことがたくさんあると思います。
そこで今回は、アメリカで日系企業のカスタマーサポートを行っている担当者とマネージャーにインタビューを行い、どのような対応をしているのか聞いてみました。現場ならではの情報満載!必見です!

‐お仕事内容を教えてください

カスタマーサポート担当者(以下、担当者):アメリカ人と日米在住の日本人を対象に、電話・メールでの問い合わせの担当をしています。サイトで確認できる情報やテンプレート化された内容であれば自分で返信しますが、それ以外は「確認して折り返す」というフローでクライアントへエスカレーションしています。

カスタマーサポートマネージャー(以下、マネージャー):CS(カスタマーサポート)マネージャーとして、各プロジェクトがスムーズに遂行されているかを管理し、サービスの質、効率を高めることで、お客様の満足の向上に努めています。

対象となるのはアメリカ人と日本人なので、日英両方ともきれいな言葉で話したり書いたりできないと務まらない仕事ですね

‐日本とアメリカのカスタマー対応方法について、何か違いはありますか?

マネージャー:アメリカのお客様の場合、現時点で抱えている問題が解決すれば満足される方が多いのですが、日本のお客様の場合は、問題が解決することはもちろんで、それに加えて、起因、今後も同じような問題が起こる可能性があるのかなど、問題解決以外にも問題そのものが発生した背景などを追及されるケースが多いように感じます。また、私の経験では、本社からの回答を希望されるお客様も多いように感じます。

やはり、国民性の違いが出ますね。アメリカはあまり細かいことを気にしない人が多いと思います。日系企業は、アメリカでサービスを行いますが、日本人のお客様も多いので、細かいところまで気を配って対応したほうがいいですね。

‐アメリカのカスタマーからの問い合わせorクレームで一番多い内容はなんですか?

担当者:人種を問わず、発送についてのお問合せ(いつ発送されるのか、いつ届くのか)のクレームが圧倒的に多いです。その他には、オンライン以外ではどこで購入できるのか、日本で販売されていてアメリカで販売されていない商品の購入方法、業者での大口購入についての割引の有無についても問い合わせがあります。あとは、海外発送(特にカナダへ)を行っているかの問い合わせもあります。また、日本人のお客様からは、商品の品質に関する厳しいご意見も多くいただきます。

マネージャー:時期(プロモーション実施時期など)によって異なりますが、特にSale時期は、クーポンコードを適用するのを忘れたので割引または送料を返金してほしいなどのお問合わせがあります。アメリカはお客様都合の返品・返金を受けつけることが一般的ですので、返品・返金に関する問い合わせは日本よりもかなり多いと思います。

返品・返金はアメリカの文化といっても過言ではありません!日本の感覚とは全く違うため、アメリカ用にマニュアルをしっかり作って対応する必要がありますね。アメリカの返品事情についてはこちらの記事「商品返品事情について」で詳しく紹介しています。

‐今まで受け取った問い合わせで、「アメリカならではだな」と感じた問い合わせor クレーム内容は何ですか?

担当者:配達状況上は「配送完了済み」だが実際には受け取っていない、欠品または注文したものと異なる商品が届いたといった、配送関連の問い合わせが週1くらいのペースで来るのは、「アメリカならでは」だと思います。また、日本に住んでいる方へのギフトはどのようなものが喜ばれるのかアドバイスを求められることもあります。

マネージャー:スムーズに要件を把握してくれなかったり、要望が聞き入れてもらえない場合、スパーバイザー(SV)やマネージャー(MG)に代わってほしいと依頼してくることです。こちらのお客様は、SVやMGには割引や特典を発行する権限があること知っている方もいて、SVやMGの対応を希望することも珍しくありません。

アメリカは日本ほど配送サービスがきちんと機能していないので、配送問題は頻繁に起こります。カスタマーサポートでの対応も重要ですが、配送キャリアもしっかり検討する必要があります。詳しくはこちらの記事「配送キャリアの選び方」をご確認ください。

‐アメリカでのカスタマーサービス対応で、今までにお客様から頂いたお褒めの言葉を教えてください

担当者:人種を問わず、対応が丁寧で迅速であることに満足されるお客様が多いです。問題が解決するまで連絡を欠かさず、最後までフォローアップすることの重要性を感じています。また、日本人の方は、日本語が丁寧で分かりやすいこと、アメリカ人の方は、ギフト用商品に付いてくる包装紙のデザインが美しいこと、購入した商品に手書きのお礼状が含まれていることについて、日本の会社のサービスの細やかさについて、お褒めの言葉をいただきました。

マネージャーカスタマーサポート担当者の対応の良さに大変満足いただいています。会社宛てに、お褒めのお手紙をいただいたこともありました。また、特に日本人の方ですが、アメリカで日本と同等のサービスを受けられることに感激されていました。

さすが、日本クオリティ!迅速・丁寧な対応はどこの国でも喜ばれるんですね。ちなみに、アメリカのカスタマーサポートは、クレームでも割とタンタンと受け答えをすることがほとんどで、お客様が怒っているポイントや、怒りの温度がいまいち伝わらず、不完全燃焼で終わってしまいがちです。

‐アメリカでカスタマーサポートをするにあたり、気を付けていることまたは重要なことは何ですか?

担当者:どんなお客様に対しても、用件をきちんと把握し的確に対応し、状況を丁寧に説明するように気を付けています。また、日本人の方に対しては、クレームに対する謝罪の意思を伝え、お客様の気持ちに共感することを忘れないようにしています。あとは、特に日本のお名前の方に対して、日本語を話さない方もいらっしゃるので、日英語両方でメッセージを残しています。

マネージャー:日本人のお客様とアメリカ人のお客様によって対応の仕方を変えています。特にアメリカ人のお客様のクレーム対応中は、謝罪することを強調するより、問題の原因をお伝えできる範囲で、丁寧にご案内することを心掛けています

いかがでしたか?日本のカスタマーサポートのクオリティは世界に通用しますね!ただし、アメリカならではの問題や、国民性の違いも存在するので、日本と同じマニュアルで運用できません。日本のカスタマーサポートの品質を担保しながら、アメリカ用のマニュアルを作成し、しっかりと運用されるようにエージェントを教育・管理することが重要です。


著者:Natsuki.S

アプリの企画開発・運用を行う際にGoogle Analyticsを使った分析を始め、その後、トランスコスモスで分析専門チームに所属し、本格的にWebサイトの分析に従事。
主にGoogle Analyticsの計測設計・設定・レポーティングを担当。