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アメリカ アパレル市場 – Amazonが選ばれる理由

2月 26日, 2018
By : Ami.T

オンラインマーケットで圧倒的なシェアを誇るAmazon。その勢いはとどまることを知りません。Amazonは2017年インターネット小売業者トップ500企業において1位を獲得しました。米Amazonのアパレル産業への参入は、ライバル企業にとって脅威になりつつあります。

このような現状から、アメリカでアパレル事業展開している企業は、今後Amazonのようなマーケットプレイスを利用した販売戦略が必至になるでしょう。

アパレル市場における消費者動向と変化

大手百貨店からECサイトへの推移

アパレル事業展開している企業の現状と推移を見ていきましょう。Coresite Researchのレポートによると、アメリカ大手百貨店のターゲット(20位)、メイシーズ(6位)、J.C.ペニー(33位)におけるアパレル部門の売上が伸び悩んでいます。

調査対象者の20%以上がMacy’sやJ.C. Penneyなどのアメリカ大手百貨店を離れて、Amazonでアパレル商品を購入するようになったと答えており、売上のシェアが百貨店からAmazonへ推移しています。

調査によると、Amazonのファッション部門はウォールマートに次いでターゲットとともに、アメリカのアパレル小売業者において第2位となっています。Amazonのファッション産業は、既存のECサイトのメンバーである顧客層から支持を受けています。調査対象であるアパレル消費者の46%、(Amazon)プライムメンバーの約3分の2の顧客層が、過去1年の間にAmazonで衣類や靴を購入しました。

近年、アメリカのEC事業はアパレル産業に大きな影響を与えており、売上の伸びに大きく関わっています。そのため、ECサイトにおける幅広い顧客層の獲得が重要になってきます。

シェアを獲得するための戦略

それでは、どのようにして顧客層や売上のシェアを獲得していくのでしょうか。Coresite Researchのレポートでは、少なくとも近い時期に、Amazonはプライムメンバーの増加によって土台を築き、アパレル部門においてより大きなシェアを獲得するとの見方があります。そのため従来の小売業者は、特にアパレル部門での消費支出が縮小し、売上を伸ばすのに苦戦を強いられています。したがって、従来のような販売戦略では売上シェアを伸ばすことは難しく、EC事業展開が必須条件となってくるでしょう。

EC事業と価格競争

世界的な規模で事業展開しているファースト・フードのチェーン店のように、アパレル業界でも価格を追求するトレンドに敏感な消費者によって大きな転換期を迎えています。

オンライン新興企業やファースト・ファッションチェーン店の出現により、消費者は百貨店や定価で販売している小売店から離れていっている様子が伺えます。最新の政府インフレレポートによると、小売店は価格面で大きく打撃を受けており、1月の伸び率はわずか1.7%でした。

自社ブランド

Amazonはシアトルを拠点としており、衣料品売上に占めるシェアを増やすことに取り組んでいます。衣料品におけるラインアップの不足分を補うため、自社ブランドを正式に発売することになりました。Coresite Researchによると、消費者の9人に1人はすでに、Amazon自社ブランドの衣類や靴を購入しています。

このような自社ブランド展開は、企業ブランド価値や世間での知名度を上げることに繋がり、他社との差別化を図る目的もあります。しかし、Amazonはアパレル部門の売上データを公開しておらず販売戦略や将来性は未知数でもあります。

まとめ

従来の百貨店や小売店は、Amazonがアパレル産業に参入したことによって価格面はもちろん、ECサイトからの新たな顧客の獲得、広告、自社ブランド展開とファッション性、利便性などの観点から熾烈な競争を強いられるのは必至です。

今後、アメリカのアパレル産業は、EC事業展開とオンラインマーケットプレイスにおける幅広い顧客層とシェア獲得が成功のカギを握るでしょう。

参照:digitalcommerce360.com


著者: Ami.T

在米15年。長らくトランスコスモスでのコールセンター事業運用に従事し、コールセンターの立ち上げや顧客管理業務を専門的に担当してきました。現在は営業として、日系企業が米国市場に進出する際のサポートを提供しています。米国市場は複雑で競争が激しいため、市場調査、販売戦略の開発、ローカルパートナーシップの構築など、包括的なサポートを行っています。