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【アメリカ】越境EC市場規模~2018年版~

6月 30日, 2018
By : Natsuki.S

アメリカへ販路を拡大しようと考えているEC担当者の方だったら一度は 「越境EC」を検討するのではないでしょうか?アメリカEコマースブログにも、「越境EC」というワードを検索して訪問される方がいます。これから越境ECを始めようと考えている方、または次に進出する国を探している方に向けて、アメリカの越境ECの市場とトレンドをご紹介したいと思います。

越境EC(cross-border e-commerce)とは

まず初めに、「越境EC」とは何なのかを説明したいと思います。英語ではcross-border e-commerceと呼ばれいて、国境を越えて行われる通信販売のことです。例えば、アメリカにむけてECサイトを公開し、注文が入ったら、日本の倉庫にある商品をアメリカへ発送します。
海外進出をする企業は、現地法人や支社を作って販売を行う場合が通常だと思います。越境ECと比べると送料を安くできたり、現地のトレンドに合わせた販売戦略を立てやすかったりと、たくさんメリットがある一方、時間とコストがかかるため結構なリスクが伴います。その点、越境ECは日本から販売するので低リスクで海外市場へ参入できるのが魅力です。

世界の越境EC市場規模

まず世界のEC市場全体についてですが、2015年では1.55兆ドルだった市場が2020年には4.06兆ドルへ、約2.6倍の成長があると見込まれています。
越境EC市場も同様で、2015年から2020年まで対前年比20%以上の成長率が見込まれており、2015年3,040憶ドルから2020年では約1兆ドルへ、市場規模が約3.3倍になると予想されています。EC市場全体の売上額に対する越境EC市場の売上額の占める割合は、2015年は15%ですが、2020年では約22%にまで成長すると予想されています。

参考:www.meti.go.jp

越境ECを大きく4つ「ECモール型(AmazonやAlibabaなどの大規模なECプラットフォーム)」「オンライン小売型(オンラインのみで商品を販売する企業)」「店舗主軸型(店舗がメインでオンライン販売は2番目である企業)」「製造業者型(商品を製造し、直接顧客へ販売する企業)」の企業タイプに分けた場合、「ECモール型」は、企業数が調査対象の3%程度しかありませんが、売上げ額は全体の15%を占めており、最も売り上げシェアが大きい企業タイプです。一方、「製造業者型」は調査対象の40%を占めており、越境ECのこれからを担うと期待される企業タイプです。売り上げ額は全体の13%にとどまっていますが、この製造業者型は他の企業タイプよりも1.3倍の速さで成長しています。

参考:www.dpdhl.com Dec. 2016

アメリカの越境EC市場規模

アメリカは世界第2位、2018年には市場売上額が52兆円を超えると予想されており、非常に大規模なEC市場をもつ国です。(参照:【2018年】アメリカEC市場規模‐おさえておきたい5つの数字
2015年当時、アメリカは越境ECの市場規模が1位市場売上額は400憶ドルでした。2位は中国で390憶ドルです。2017年時点でもアメリカと中国が越境EC市場の大部分を占めている傾向は変わりません。

参考:www.meti.go.jp 2015

なお、アメリカ越境EC市場の将来性(日本と中国への販売に限る)は下記の図の通り、毎年10%以上の伸長があり、2017年と2021年を比較すると1.67倍の規模になると予想されています。

参考:www.meti.go.jp

アメリカの越境EC利用者の動向

アメリカの越境EC 利用者はEC利用者全体の31%占めています。日本、中国と比べると越境EC利用者の割合は高く、海外から商品を購入することに対するハードルは低いと考えられます。なお、アメリカの越境EC利用者の主な購入先は、1位中国(52%)、2位カナダ(13%)、3位イギリス(11%)です。(2017年時点)

参考:www.ipc.be

参考:www.meti.go.jp

アメリカの越境EC利用者はどんな商品を購入しているのでしょうか?上位TOP10は下記の通りです。1位は衣類・アパレルで、越境EC利用者の31% がこのカテゴリの商品を購入していました。

参考:www.dpdhl.com Dec. 2016

いかがでしたでしょうか?「越境EC」で検索すると中国市場が目立っていますが、アメリカ市場もまだまだ成長が見込めます。アメリカはAmazonやeBayなどのECプラットフォームの利用率が高い国ですので、最初はこれらを使って手軽に始めることもできます。越境ECを始めようとしている、または既に始めている方は、アメリカ市場も選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。


著者:Natsuki.S

アプリの企画開発・運用を行う際にGoogle Analyticsを使った分析を始め、その後、トランスコスモスで分析専門チームに所属し、本格的にWebサイトの分析に従事。
主にGoogle Analyticsの計測設計・設定・レポーティングを担当。