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Amazonビジネスとはどんなサービスなのか

3月 11日, 2019
By : Ami.T

Amazonは世界最大の個人消費者向け(B2C)のEコマースサイトですが、B2Bの分野でも2015年5月にAmazonビジネスがローンチされて以降、急速な拡大を見せています。Amazonビジネスの活用を考える上でも、また独自のEコマースサイトでB2Bビジネスを展開する上でも、Amazonビジネスとはどのようなビジネスモデルなのか、理解しておく必要があります。ここではAmazonの B2B戦略であるAmazonビジネスについてご紹介します。

1. AmazonビジネスはB2C向けのサービスとどこが異なっているのか

従来のAmazonマーケットプレイスがB2C、一般消費者を対象としたものであるのに対し、Amazonビジネスは、法人・個人事業主を対象としたサービスです。そのため事業者間で行う取引に対して、以下のような便宜が図られています。

  1. 法人や個人事業主向けの商品が見つけやすくなっている
  2. 大量購入の際に、B2C向けよりも低価格で購入できる
  3. 大量購入に向いた支払い方法や配送方法が用意されている

こうしたAmazonビジネスの内容を、もう少し具体的に見ていきましょう。

2. Amazonビジネスには2つのプログラムが用意されている

Amazonビジネスには購入者向けのプログラムと販売者向けのプログラムがあります。この2つは連携して機能し、Amazonで商品を購入する企業と商品を販売する企業を、結び付ける役割を果たしています。

購入者向けプログラムに参加すると何ができるのか

① 法人・個人事業主に限定された商品を、割引価格で購入することができる

商品を多数購入する際に、一般消費者よりも高い割引率で購入できるだけでなく、一般消費者には公開されていない、法人・個人事業主限定で出品された商品を、専用の割引価格で購入することができます。

②支払い方法を選ぶことができる

2018これまでの個人または法人のクレジットカードでの支払い方法から、さらに請求書払いが可能になったことで、支払い方法の選択は、より柔軟になりました。

③複数のユーザーで利用が可能になる

Amazonビジネスに登録し、管理者になれば、そこからさらにユーザーを追加して「購買依頼者」の役割を与え、会社の担当者として注文を行ってもらうことができます。複数のユーザーによる購入を、一元化して管理することができます。また、複数の送り先を選んだり、購買レポートを複数のユーザーで作成することも可能です。

販売者向けプログラムに参加すると何ができるのか

Amazonビジネスで販売を行うためには、出品プログラムに登録する必要があります。出品プログラムに参加すれば、以下の機能を活用することができます。

①法人・個人事業主限定で表示される専用リストを作成できる

一般には公開されない商品を出品することができます。

②法人・個人事業主向け価格や数量割引を設定できる

アマゾンビジネス出品プログラムでは、2種類の割引を出品者ごとに設定することができます。

  • 法人・個人事業主向け価格:購入数量に関わりなく、アマゾンビジネスを利用する顧客が受けられる割引
  • 数量割引:大量購入の際に適用される段階的な割引

通常の販売価格に加えて、このように割引された価格を提示することができます。

③非課税価格を簡単に提示できる

免税事業者であれば、ボタンをクリックするだけで非課税価格が提示されます。

④高い基準を満たせばBusiness Sellerの認定が受けられる

一般の販売者よりも高い基準を満たすことによって、Business Sellerのマークをつけることができます。

  • 一般の出品者に求められる基準が注文不良率1%以下であるのに対し、Business Seller は5%以下であること
  • 一般の基準が出荷前キャンセル率5%以下であるのに対し、Business Sellerは1%以下であること
  • 一般の基準が出荷遅延率4%以下であるのに対し、Business Sellerは2%以下であること
  • そのほか入金取り消しがないことやアマゾンマーケットプレイス保証が申請されていないこと、クレームが寄せられていないことなど

こうしたBusiness Sellerとして認定されることによって、高いパフォーマンスを備えた出品者であることが保証されます。

Amazonビジネスで販売することのメリット・デメリット

メリット

AmazonビジネスはB2Bに限られた出品であるため、大口の取引が期待できます。

また、複数での購入が可能で、部署ごとの購入レポートを作成することができるなど、購買管理や分析がしやすいことや、請求書払いの導入によって、今後も企業の利用が増加するとともに、販売機会も拡大することが期待されます。さらにAmazonに慣れ親しんだミレニアル世代が企業の責任ある地位を占めるようになればなるほど、個人消費だけでなくビジネス面においても、Amazonを選ぶ傾向は高くなっていくでしょう。

デメリット

請求書払いが選択されると、キャッシュフローが遅れるというデメリットがあります。

どんな事業者がAmazonビジネスに向いているか

Amazonビジネスは、法人や個人事業主向けの商品を販売する事業者、自社ビジネスのために商品を購入したい事業者、また企業経営者に最適なものです。そのほか

・一般消費者だけでなく、企業にとっても魅力的な商品を販売している小売事業者

・今後B2Bの販売チャネルを拡大しようと考えている製造業者や卸売業者、流通業者

・すでに小規模なB2BのEコマースで販売を行っている事業者

・教育機関や医療機関、また政府機関や行政機関、NPO

なども活用できるものとなっています。

最後に

Amazonビジネスが2015年に導入されて、3年あまりが過ぎようとしていますが、現在はアメリカだけでなく、ヨーロッパや日本、インドなど、成長を続けています。割引購入価格や請求書払い、また購入管理のしやすさなどの面で、Amazonビジネスはユーザーにとって魅力的であることがうかがえます。このことは同時に、販売する側にとってもAmazonビジネスは販売機会の拡大ととらえることができるでしょう。すでにEコマースプラットフォームで販売を行っている事業者も、また独自Eコマースサイトを運営している事業者も、並行してAmazonビジネスの活用を検討されてはいかがでしょうか。

出所:Amazon B2B Platform: Amazon Business
Amazon B2B – Is It Right For You?
Is Your Business Prepared for Amazon’s Pay by Invoice Service?
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著者: Ami.T

在米15年。長らくトランスコスモスでのコールセンター事業運用に従事し、コールセンターの立ち上げや顧客管理業務を専門的に担当してきました。現在は営業として、日系企業が米国市場に進出する際のサポートを提供しています。米国市場は複雑で競争が激しいため、市場調査、販売戦略の開発、ローカルパートナーシップの構築など、包括的なサポートを行っています。


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