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アメリカECの年末商戦(クリスマス商戦)対策 ~デジタルマーケティング~

10月が過ぎてホリデーシーズンに突入し、米国では小売り、Eコマース業界が忙しくなる年末商戦(クリスマス商戦)の時期がやってきます。米国のホリデーシーズンは一般的に、11月第4木曜日の感謝祭から、クリスマスイブまでの、1か月未満の期間を指します。今年も10月半ば過ぎからコストコをはじめビッグボックスリテーラー(大規模小売店)がブラックフライデーセールに向けて販売促進活動を開始しました。

インターネットの普及によるWebサービスの進化によって、消費者の消費活動、情報収集活動が毎年大きく変化しています。スマートフォンの普及が消費者とのコミュニケーションチャネルの多様化を加速し、2016年にスマートフォンからのトラフィック(モバイルトラフィック)が米国Eコマーストラフィック全体の50%を超えました。
消費者とコミュニケーションをとる手段やチャネルが多様化する中、クリスマス商戦を勝つために従来のホリデーシーズンのトレンドと消費者行動の両方を理解した上で通年のマーケティングプランを立てましょう。

ホリデーシーズンのトレンド

National Retail Foundation(以後NFR)のレポートによると、50%以上の消費者が10月までに購入する商品のリサーチを開始し、12月に向けて徐々に買い物をスタートする傾向があります。そのため、「何を買うか」は既にクリスマス商戦が始まる前に決まっているといえます。

参考: 2017 Holiday Planning Playbook, NRF 2017

11月のブラックフライデーからクリスマスまではコンバージョンが集中的に発生する重要な時期です。この短期間で勝負するには、購買意欲が顕在したたくさんのユーザーにアタックすることが非常に重要です。11月までにいかに多くの顕在客をリマーケティングリストに集めるか前もってプランニングする必要があります。

ディスプレイ広告の市場トレンド見てみると、インプレッション単価が12月に向けて上昇し、クリック単価がブラックフライデー付近では前月比120%になる傾向があります。前述の消費者のリサーチ行動と合わせて考えると、インプレッション単価とクリック単価が比較的安い、夏~初秋あたりから広く網を張って潜在客へアプローチして顕在客へと教育する活動を開始したほうが良いでしょう。

参考:Retailer’s ultimate guide to holiday planning, Adroll 2017

各社のマーケターはホリデーシーズンの時期に通常より高いインセンティブでユーザーにアプローチする印象がありますが、実際どんなインセンティブが消費者にポジティブな効果があったのでしょうか。NRFの調査データによると、ホリデーシーズンに購入を躊躇していた消費者が購入を決めたインセンティブの上位は、無料配送(64%)、タイムセール(50%)、 店舗でのピックアップが可能(33%)となっています。

消費者の行動

今までEコマースの発展を牽引してきたY世代に加え、Z世代(1995年から2010年生まれ)の消費者層が増えたことで、デジタルでの購買頻度は加速しています
Y世代、とZ世代を集客するにあたって、この先Eコマース業者はデジタルチャネルでコミュニケーションをとることが避けられなくなるでしょう。NRFの調査によれば、年代問わずホリデーシーズンのショッピングについてテレビの影響を受けた対象者は半分以下の40%にとどまり、X世代とY世代はFacebook、Z世代はInstagramから多くの影響を受けています。

マーケティングのプランニング

ホリデーシーズンのトレンドと消費者行動から、クリスマス商戦の激しい値下げ競争に陥らないポイントは「早さ」が重要だと考えられます。特に商品の知名度が低い小売業者は、消費者が「興味・関心」、「検討」、「購入」といったカスタマージャーニーをたどれるように、デジタル広告が安価な夏頃からプロモーションを仕掛けるべきです。なぜなら、消費者が商品のリサーチを開始する初から魅力的なコンテンツを購買意欲の高いユーザーにマッチしたメディアチャネルでリーチするために、夏から開始したプロモーションのデータを分析して「デモグラフィック」「使用デバイス」「参照元」などの情報を把握しておくことが大変重要になるからです。また、商品とユーザーに合ったプロモーションを実施するにあたり、ブラックフライデーからクリスマスまで高騰しているデジタル広告市場でも十分にリーチできるだけの予算を用意する必要があります。

以下にクリスマス商戦に勝つためのチェックリストを用意しましたので、ぜひご活用ください。

クリスマス商戦に勝つためのチェックリスト

 ✔ 夏頃から潜在客にむけたプロモーションの開始

 ✔ 購買検討時期に合わせ、潜在客に向けて商品商材・教育コンテンツを配信

 ✔ 顕在客のペルソナに合うメディアチャンネルの把握

 ✔ 本番シーズンに全力投球できるリマーケティングリストを準備

 ✔ 消費者のニーズ・プロダクトに合ったプロモーションを実施

参考:nrf.com


著者: Clint K.

Digital Marketing Project Manager

Google, Facebookをはじめ、デジタルマーケティングサービスを日系企業を対象に提供し米国市場へのプロモーションを支援。